Spotify有料会員一人あたりの平均売上が下がっている理由

2018年、米ニューヨークで開催された「Z100's Jingle Ball 2018」に出演したカーディ・B。(Photo by Dia Dipasupil/Getty Images for iHeartMedia)



2019年末までに、全世界のSpotify有料会員料金が月額5ドルを切ったとしても、驚くまい。Spotifyの収入の大半を懐に入れているレコード会社が、なぜこれほど大騒ぎしているのか、お分かりだろう。

さらに内部関係者から小耳にはさんだ話によると、インドなどの新興市場でSpotifyが無料会員から想定している収入――既存の都度課金の料金はアメリカと比べれば微々たるものだ――は、音楽業界で著作権を所有する人々にとってはまさに寝耳に水だという。

「これはレコード会社だけの問題ではなく、アーティストの問題だ。Spotifyはユーザー獲得に走るあまり、音楽本来の価値を貶めているのだ」大手レーベルのとある重役は今週、このように話してくれた。「有料ストリーミング市場の牽引役であるSpotifyがARPUを下げれば、かつてAmazonが作家たちに対して行ったのと同じ過ちを犯すことになる」

別の大手レーベル関係者も、このように語っていた。「Spotifyは新興市場でこうした措置をとることで、自分たちのビジネスモデルをなんとか継続しようとしている。彼らが音楽業界に支払う割合は低すぎる。それじゃまるで、アーティストに対して『我々に小切手を切ってくれ』と頭を下げているようなものだ。本来はその逆なのに」

ということで、遅かれ早かれ、ARPUの下落を食い止めることが最終的にはSpotifyの最大の関心事になるだろう。同社に注目するウォールストリート関係者も、SPOT株(Spotify Technology)がいつ明確な増益傾向を表すのか、次第に焦りを見せている。改善の兆しはあるものの、いまだ巨額の営業損失を出しており、2018年度は3億ユーロ以上にのぼるとみられている。

火に油を注ぐかのように、Spotifyは第1四半期終了時にユニバーサル・ミュージック・グループと既存のライセンス契約の再交渉を予定している。三大レコード会社との最初の再交渉となるが、Spotifyとしてはなんとしても年内に新たな合意にこぎつけたいところだ(三大レコード会社のうち、交渉のトリを務めるのがスティーヴ・クーパー率いるワーナーだ)。

起死回生を図るSpotifyに残された選択肢のひとつが、現在業績が伸び悩むプラットフォーム内の広告収入強化だ。Microsoftが最近Discover Weeklyのプレイリストのスポンサー販売を始めたこともあり、Spotifyとしてはぜひとも改善したい分野だ。

Translated by Akiko Kato

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