「ぼくらは第一世代」88risingのセン・モリモトが語るアジアと日本、アメリカの新しい繋がり

セン・モリモト(Photo by Scott Dudelson/Getty Images)



ーご自身はマルチ・インストゥルメンタリストという肩書きで活動されてますが、具体的には?

モリモト:子どもの時にサックスをはじめたから、メインはサックスなんだけど、独学でピアノやドラム、ベース、ギター。キーボードもレコーディングで使うし、コンピューターでプロダクションや編集作業もするし。今はヴァイオリンにも挑戦してるんだ。

ー音楽的教養のバックグラウンドはクラシック?

モリモト:ジャズだね。サックスを習っていた時は基本的に。でも、そんなお堅い感じじゃなくて、自分が聴いてきた音楽に影響を受けてる。

ーなるほど。ぼくがあなたの存在をはじめて意識したのはナムディ・オグボナヤ(※)のアルバムでした。それ以前から友人の間で話題にはなっていたけど、実際に音を聴いたことはなくて。はじめて名前を目にしたのがナムディのアルバムのクレジットだったんです。

※Nnamdi Ogbonnaya:シカゴ出身のマルチ奏者。様々なバンドに出入りしながら、エクスペリメンタル・ヒップホップ寄りの2017年作『Drool』など自身のリーダー作も発表。The Sooper Swag Project名義で発表された、2016年作『Badd Timing』にはモリモトも参加している。

モリモト:そうなんだね。ナムディとは一緒にレコードをつくってるんだよ。いい友達さ。

ー今年(2018年)のSXSWで彼のライブを観る機会があって。ちょっとびっくりしたんですよね。正直言うと……。

モリモト:正直に言って! 全然ダメだったんでしょ? ぼくには言っても大丈夫!

ーいやいや(笑)、逆です。想像してた感じとまったく違ってて、めちゃぶっ飛んだんですよ。もっとヒップホップ寄りの、彼がラップして……ってのだと思ってたら、めちゃアヴァンロックな感じで。

モリモト:ロック寄りのバンドとツアーしてるんだよね。

ーそうそう。ベーシストとドラマーはジャズの教養があることが明らかな感じのプレイヤーで、ギタリストはおかしなことに……なんだかフランク・ザッパにみえて。

モリモト:わかるよ! Jonnyだね。いや、彼は本当にフランク・ザッパの大ファンなんだよ。あまりにも好きすぎて、見た目まで似てきちゃったんじゃないかな(笑)。


ナムディ・オグボナヤのパフォーマンス映像

ーおもしろいよね、そういうのもシカゴっぽいのかな。音楽的にはもちろん、ヒップホップとかラップってところにカテゴライズされるわけだけど、それ以上の含みがあるというか。そういったシカゴから生まれる音楽ってどんな風なものだと思います?

モリモト:そうだね、シカゴのシーンがクールなのは、それだけたくさんのことが同時に起きているからだろうね。もちろんヒップホップ・コミュニティは本当に多様だし、ほかにもエクスペリメンタル・ロックやノイズ、ジャズのアーティストたちが数え切れないくらい作品を出してる。最近は即興音楽も流行ってて、かなり大きなシーンがあるしね。そのなかで、ぼくやナムディとか、いくらかのアーティストはそういったすべての要素を取り入れて、ひとつにまとめあげるみたいなことにトライしてて、そういった試みがぼくらのサウンドをちょっと複雑で特別なものにしているんだと思う。でもそれも、シカゴっていうリッチなコミュニティがあるからこそ成立してることで。たくさんの音楽が同時進行で大量に生まれてるんだ。

ーそういったなかでも、自分が特別に強い繋がりを感じるコミュニティやシーンというのは?

モリモト:うーん、やっぱりヒップホップやR&Bになるのかな。今日一緒にやってくれるバンドメンバーも、たくさんのアーティストとプレイしてきてるしね。ぼく自身、ほかのアーティストのためにサックスやキーボードを演奏するんだ。ギターのBrian Sanbornはいつもノーネームとやってたり。今日バック・ヴォーカルをやってくれるKainaは普段はソロで活動してるけどこうやってぼくの音楽に参加してくれてるし、ドラムのRyanとベースのDejon Crockranも同様にプレイヤーとしてたくさんの人と共演してる。コミュニティのために自身をシェアして、一緒に音楽をつくってるんだよ。

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