「人間は頑強さではなく、欠点が美しい」米映画祭に登場したティモシー・シャラメのコメント全文を掲載

映画『ビューティフル・ボーイ』で共演したスティーヴ・カレルとティモシー・シャラメ(Photo by PRESS)

アカデミー賞最優秀脚色賞受賞、主要4部門にノミネートされた『君の名前で僕を呼んで』で、世界中の映画ファンを魅了したティモシー・シャラメ。映画界だけでなくファッション界においても今一番ホットな俳優であるティモシーが出演する新作『ビューティフル・ボーイ』が、10月12日に大ヒットスタートでアメリカ公開を迎え、日本では2019年4月に公開される。

本作は、8年という長い歳月をかけてドラッグ依存を克服し、現在はNetflixの人気ドラマ「13の理由」の脚本家として活躍する人物の実話をもとに、彼を支え続けた家族を描く物語。製作はブラッド・ピットが代表を務めるプランBエンターテインメント(『ムーンライト』、『それでも夜は明ける』など)が手がけ、ブラッド本人がプロデュースを担当している。

息子とその家族との愛と再生を描く本作、ティモシーはその息子ニックを、父親を『フォックスキャッチャー』などで知られるスティーヴ・カレルが熱演。2018年のアカデミー賞授賞式にて、ゲイリー・オールドマンに「君は絶対ここに戻ってくる」言わしめたティモシー・シャラメだが、その言葉を裏付けるように本作『ビューティフル・ボーイ』で才能をいかんなく発揮し、賞レースを席巻中だ。

そして、1月3日に米カリフォルニア州で開催された「パームスプリングス国際映画祭」のレッドカーペットに、スポットライト男優賞を受賞したティモシー・シャラメが登場。その喜びのコメント全文を紹介する。

成長する過程で、両親や周りの大人がみんなただの人間であると気付く瞬間があります。
それぞれ弱点や欠点を持った人間であり、今の僕の演技は最もそこに影響を受けている。でも、誰もが傷つきやすい存在であると知った時は恐怖や敗北を感じました。僕の夢はプロスポーツ選手になることでした。レブロン・ジェームズやリオネル・メッシのような選手です。無敵な彼らに何よりも惹かれました。ですが、鏡の中の自分を見て、彼らのようにはなれないことを悟りました。体型が華奢すぎるだけでなく、才能が全く備わっていなかったのです(会場笑)。

そして僕は叔父や母親、姉が通っていたニューヨークの演劇学校に進学しました。そこで僕の中で何かが変わりました。人生で初めて恋に落ちている自分がいました。スポーツ選手を目指していた時のような高揚感でしたが、今回はスーパーヒーローではなく普通の人間に焦がれていたのです。不屈のメッシやレブロンよりも、ヒース・レジャーやホアキン・フェニックスのような繊細なアーティストが魅力的に映っていました。すべてをさらけ出している役者にほど魅了され、彼らの作品を貪り食うように見はじめた。リアルな人間を描き、人間に光を当てたリアルなストーリーは、最高に心に響きます。人間は頑強さではなく、欠点が美しいのです。

- ティモシー・シャラメ

映画『ビューティフル・ボーイ』は、4月よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開。



<映画情報>



『ビューティフル・ボーイ』
2019年4月よりTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン (『オーバー・ザ・ブルースカイ』アカデミー賞外国語映画賞ノミネート)
脚本:ルーク・デイヴィス(『LION/ライオン ~25年目のただいま~』)   
出演:スティーヴ・カレル、ティモシー・シャラメ   
製作:PLAN B (『ムーンライト』『それでも夜は明ける』)
© 2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ/朝日新聞社
配給:ファントム・フィルム
2018/アメリカ/120分/ビスタサイズ/R-15
http://beautifulboy-movie.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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