アナログ盤は引き続き復調傾向、購入ジャンルに変化の兆し

アナログ盤は引き続き復調傾向、ただしロックの独壇場ではなくなった(Photo by Michael Hurcomb/Corbis via Getty Images)

アナログ盤の復活は現在も進行中だ。米国の音楽消費を調査する会社による年間データによると、アナログ盤で購入されるジャンルが変化しつつあるという。

近年のアナログ盤復活はいまも根強く続いているが、一時の狂乱はようやく沈着の様子を見せ始めた。アメリカの音楽消費を調査するデータ会社BuzzAngle社による年間データによれば、2018年のアナログ盤販売枚数は2017年からおよそ12%アップ。2016~2017年の増加率と比べると、かなり落ち着いた数字だ。

最新の調査レポートによれば、昨年の実質アルバムセールス総数のうち、アナログ盤のアルバムセールスは13.7%を占める。2017年は10%、2016年は8%だった。実質アルバムセールス全体の人気が減少傾向にある中(デジタルと合わせても、昨年は18%も減少)、アナログ盤復活は正反対。結局のところ、これまで音楽ファンたちが主張し続けてきたように、ストリーミング時代にあってもアナログ盤の人気は根強く、心理的な価値が大きいのだ(同じくレトロ市場の稼ぎ頭カセットテープも飛ぶように売れ、2017~2018年の成長率は18.9%を記録した)。

アナログ人気をさらに詳しく見てみると、もう一つ面白い傾向が浮かび上がる。アナログ盤においても、かなり多種多様な音楽が購入されているのだ。3年前はアナログ盤アルバムセールスの65%はロックが占めていたが、2017年には54%、2018年には42%だった――つまり、昨年のアナログ盤の多くはポップ(26%)やアーバン/ヒップホップ(14.4%)といったジャンルなのだ。こうした流れの中では、アナログ盤といえばギター中心の音楽やクラシックロック・ファンのお気に入り、という常識は通用しない。事実、コレクターズアイテムでも同じような傾向がみられている。

だが、このようにアナログ盤が多様化したからといって、アナログ盤と昔ながらのロックの深い関係性がすぐに姿を消すわけではない。BuzzAngle社の年間調査レポートによれば、2018年に購入されたアナログアルバムのうち、新作アルバムはたったの8%にとどまり、66%は「マニア向けカタログ」音楽――つまり、何十年も前にリリースされたアルバムで、年代別ラジオ局や両親のお宝コレクション、あるいはUrban Outfittersで1枚や2枚、Tシャツ化されているような類のアルバムなのだ。ビートルズの『アビー・ロード』の場合、2018年のアナログセールスは4万3606万枚。『サージェント・ペッパー』の場合は2万4887万枚を記録した。新旧入り混じる様子は、2018年の人気アナログアルバムTop 20にも如実に現れている。

Translated by Akiko Kato

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