ローリングストーン誌が選ぶ「2018年聴くべき名盤」11選

ローリングストーン誌が選ぶ「2018年聴くべき名盤」11選

あなたの2018年のプレイリストには入っていなかったかもしれないが、米ローリングストーンの編集者、評論家、ライター達がおすすめしたいアルバム11枚を紹介する。

過去に例を見ないほど視覚的にも聴覚的にも刺激のあるこの時代において毎年大量に世に出てくる作品のすべてを把握するのは簡単なことではない。アンダーグラウンドやインディーシーンの天才やセンターでスポットライトを浴びるべきバックアップシンガーなど、このリストに挙げた様々なジャンルのアルバムはあまり知られていないかもしれないが注目に値するアルバムである。是非、年初めに聞いてはいかがだろうか。

1. カディア・ボネイ『チャイルドクイーン』

このオーケストラ的かつ合唱曲的なソウルの曲の注目すべき点は、レコードマニアお気に入りのデイヴィッド・アクセルロッド的なマキシマリズムとミニー・リパートン的なやさしい鳥のさえずりのような歌をまるで魔法のように共存させているところである。しかし、さらに驚くべき点は作曲、歌、ストリングスや管楽器の演奏を含め、すべてがボネイ自身によるものであるというところなのだ。カマシ・ワシントンやフライング・ロータス、ケンドリック・ラマー、アンダーソン・パーク(彼の『オックスナード』にボネイも参加)のホームでもあるウエストコーストの前衛的なシーンから出てきた新たな天才のこのセカンドフルアルバムは、才能を示しながらもよくある未来的ソウルのシンセサウンドではなく、落ち着いた作品となっている。しかし、このアルバムは熱さも持ち合わせていて、例えば『マザー・メイビー』は、70年代のブラックスプロイテーション・ファンクを非常に高い花火のようなヴォーカルラインで仕上げ、“母なる宇宙”的に再現したような曲だ。



2. EQ・ホワイ&トラックスマン『ホワイトラックス』

2人のフットワーク・プロデューサーがアンダーグラウンドのカセットレーベル、オレンジ・ミルクからのリリースのために協力し、実験的無意識の縁へといざなうダンスミュージックを作った。彼らはCDのスキップやコンピューターのエラーのようなサウンドのシカゴ発祥の高速ポリリズム・ファンクを世界に広めようとしている。『コンピューター・ゲットー・パート2』はクラフトワークの『コンピューター・ワールド』をサンプリングしており、1987年頃に4ミスター・マジックがパブリック・エネミーをクビにした時の音声をフレイヴァー・フレイヴがラジオからローファイのカセット音源で録ったものをさらにチープなサウンドにしスタッター的に使っている。『フォールス・ヒストリー』ではオージェイズの1973年の奴隷船がテーマの『シップ・アホイ』の船がきしむ音、ムチを打つ音、人々が泣き叫ぶ声が使われているがそこにレコード特有のノイズが加えられ表現主義的な、まるで夢の中で揺らめいているような雰囲気となっている。



Translated by Masaaki Yoshida

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