森敬太、スカート・澤部渡、西村ツチカ、唐木元らが集結! 今年のベストトピックを決める、トーベヤンソン・ニューヨーク・アワード2018

趣味のスーパーバンド、トーベヤンソン・ニューヨーク。各メンバーは、それぞれ本業と並行しながら活動を継続している。(Illustration by Tsuchika Nishimura)

トーべヤンソン・ニューヨークのギタリスト、アートディレクター/デザイナー森敬太による連載第2回! 今回は同バンドメンバーのほぼ全員が今年一番印象に残ったトピックを決めるため集結、激論を交わす予定だったが……。
 
座談会参加者:
森敬太(ギター担当、グラフィックデザイナー)/オノマトペ大臣(ラップ担当、サラリーマン/ラッパー)/西村ツチカ(ギター担当、漫画家)/澤部渡(ドラム担当、ミュージシャン)/唐木元(ピアノ担当、ミュージシャン)/玉木大地(キーボード担当、プログラマー)/金子朝一(ボーカル/ホイッスル担当、漫画家)/mochilon(ベース担当、ミュージシャン、欠席)

※この記事は2018年12月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.05』に掲載された原稿に、加筆を加えたものです。
 
・もう「情報」って感じですよね

:まあなんといっても唐木さんのルックスだよね。もう今年のトーベヤンソン・ニューヨーク・アワードは「唐木元」でいいんじゃないかと思っちゃったよ。

大臣:ドレッドで登場して玉虫のようなサングラスをかけて、スケボーで夜の街に繰り出しましたからね。

金子:久保田利伸というか……バスキアというか……。

玉木:安易だなー朝一のニューヨーカー観。

:「お、CHARA!」みたいなね。しかも通り過ぎた後にはカレーの香りを残していくんでしょ? 怪人だよ。

大臣:突っ込みどころが多すぎて目がチラチラしますね。

:初見の人には多分姿見えてないね。 脳が処理能力の限界を超えちゃってエラーを起こしてると思う。

金子:ノイズみたいになって。

大臣:もう「情報」って感じですよね。

(カレーを買いに行っていた唐木元が登場)
唐木:路面いいねー日本は。

澤部:すごいニューヨーカー仕様ですね(笑)。

唐木:ドレッドかけたの一昨日だけどね。中目で。

:嘘じゃんこの人。
 
・兵馬俑のように……
 
:この座談会のために、皆さんからノミニーとして今年記憶に残ったトピックをたくさん挙げてもらってるんですけどね。まず僕が上げたなかで、一二を争う大きなトピックじゃないかというのがこれ。「ペッパーくん更新問題」。

西村:これはどういうことなんですか?

:ペッパーくんって三年契約だったらしくてさ。

一同:(笑)。

大臣:派遣されてたんですね(笑)。

澤部:僕ペッパーくん怖いんですよ! はま寿司にいるんですよね。予約を案内してくれるんです……。やたら関節の多い手で……。

:常識的な数だよ関節は! そういう街中のペッパーくんが大体今年で三年契約が切れるらしくて、アンケート取ると8割以上が「契約更新しない」って回答してるんだって。

西村:契約更新されないとどうなるんですか?

:巨大安置所がソフトバンクの地下にできて、ヌラッと白く光る数千体のペッパーくんが兵馬俑のように……。

澤部:兵馬俑(笑)。

大臣:2000年後くらいに掘り返されて、「これは一体何なんだ」ってなるでしょうね。

:「孫正義という男は何を企んでたんだ……」ってなるね。
 
・壁
 
西村:ノミニートピック、明らかに誰も興味ないやつありますね。

一同:(笑)。

大臣:書いて満足した感あるやつ多すぎますね。

玉木:「紀州のドンファン」、二重ノミニーになってますけど。

唐木:最重要トピックだね。

大臣:誰もまだ逮捕されてないんですよね? デヴィ夫人とか……。

:紀州のドンファンに関してはね、僕が一番衝撃を受けたのは家の外壁なんですよ!

一同:(笑)。

大臣:確かに壁、変でしたね!

:もうね、古今東西の建築様式を完全無視して、造形史に垂直にそそり立つような佇まいで……。

玉木:これですか!(iPadで画像を見せる)

澤部:でかいなー(笑)。

唐木:なんか中東っぽいね。

:中東の影響を受けていたとしても文脈が謎じゃん。後ろ側が紫っぽい変なピンクでさ。

大臣:人を混乱させる構造ですね。どこをひとまとまりとして見ていいかわからない。

西村:円も見えるし、楕円も、三角も見える……。分析しても何も得られないですね。

一同:(笑)。

西村:でもグラフィックデザイナーっぽい着眼点ですね。スタイルに取り入れていったらいいんじゃないですか?

:でもさ、僕が西村くんの本をデザインしたとして、「めちゃくちゃ内容良かったから、俺が最近一番かっこいいと思ってる紀州のドンファンの家の壁の模様を表紙にしといたよ!」って言われたらどう思う?

西村:善意のうんこ投げつける狂人ですね。
 
・等身大の30万だからね
 
:「ビットコイン」って玉木くんが書いてるけど、急落したっていう話だよね。

玉木:誰かこの中で大損した人いないんですか?

:今日来てないけどmochilonだね。

一同:(笑)。

唐木:その話、聞きた〜い!

:ビットコインで30万溶かしたって聞いたよ。

金子:がっつり溶かしてる……。

:ちっちゃいことで落ち込んでるときにそれ聞いて、すごい温まったなー。

西村:それはみんなに伝えたほうがいいですね。人を救う話だから。

:等身大の30万だからね。

一同:(笑)。

大臣:背伸び抜きの30万。

:結構余裕があって投資してたわけではなく、リアルな30万を失ったという現代怪談だよ。

大臣:千昌夫は不動産で100億持っていかれてますけどね。

金子:千昌夫の100億は等身大なんですかね?

:ダメージとしてはmochilonの30万と同等じゃないかな?

一同:(笑)。
 
・俺のことは全部知られている
 
:音楽の話でいうと「ジャニス閉店」。今ちょうど閉店セールやってて、レンタル落ちをそのまま売ってるんだよね。

澤部:とりあえず、僕がやってるスカートの全タイトルは確保しました!

:シールとかポップが貼ってあるのが欲しいという心理(笑)。

金子:なるほどなー!

西村:澤部くん、めちゃくちゃスカートマニアですね。

澤部:全部揃えました。

一同:(笑)。

澤部:ツチカさんもよく行ってましたよね。

西村:行ってましたね。ニューウェーブのレア盤とか借りに。

大臣:東京来ていきなり行ってビビってましたもんね。地方出身者からすると恐ろしい場所ですよ!

西村:ビビりますよ。なんでもある!って思って。あと初単行本が出た当日に会員カード作ったんですけど、名前書いて出したら「西村ツチカさんですか? 単行本買いました」って店員さんに言われて更にビビりましたね。

一同:スゲー!

:本名だからかー!

西村:「ジャニス、なんでもある上に俺のことも知ってるのか」って。

:そこだけ抜くとメンタルのバランスを崩した人の発言に見えるね。

大臣:「俺みたいなアングラな奴を知っている」

西村:「みんなが俺のことを見ている」

澤部:「俺のことは全部知られている」

一同:(笑)。

:今日も閉店セールの行列すごかったよ。

大臣:また一つ平成が終わりましたね……。

一同:(笑)。

唐木:便利な言葉だなー。
 
・漫画村八分ですよ

:次は「漫画村」。ブロッキングの対象になったり色々あって今年ついに閉鎖されましたね。

玉木:漫画家が裁判しようとしてますね。

大臣:西村さんは訴えないんですか?

西村:僕の漫画、漫画村に載ってなかったんですよ。

一同:(笑)。

大臣:住民登録されてない!

西村:漫画家の友達にそのことを言ったら、「西村さん、漫画村に載ってなくてカッコいいです」っていわれて(笑)。

一同:(笑)。

:珍しい褒め方だね。

金子:その方の作品は載ってたんですか?

西村:そうみたいです。

一同:(笑)。

西村:漫画村八分ですよ。

:漫画家内でそんなヒエラルキーが……。「俺の漫画、漫画村にすらねぇ」って(笑)。

西村:そうなんですよ! ある意味メジャーの証なんですよね。

澤部:たしかに、僕も若い子に「普段どういうふうに音楽聞いてるんですか?」って聞いたことがあるんです。そしたら何の悪気もなく違法アプリを出してきて「なんでも聴けるんですよ!」って。それでスカートの曲が入ってるか見たら……入ってない(笑)。

一同:(笑)。

西村:なんでも聴けるのに(笑)。

澤部:なんとも言えない気持ちになりましたね。いやらしいアプリなんですよ。なんかジャケットがレコードみたいにクルクル回って腹立つんですよ!

西村:気が利いてるな(笑)。

:今年台湾とか韓国行ったけど、それで日本の音楽聞いてる若い子多かったよ。

澤部:そうそう。国外は特にそうらしいですね。なんかミツメも違法アプリでひたすら聴かれてるらしくて。

金子:ミツメはあるんだ(笑)。

一同:(笑)。

大臣:似た構造が見えましたねー。
 
・左翼的なやつですか?
 
:大臣が出したトピックを見ていきましょう。

澤部:ビジネスパーソンならではの硬派な視点の。

:最初に出ているのが「めちゃイケ終了」。

一同:(笑)。

金子:軽薄ですねー。

西村:ちょっとビジネスマンらしくプレゼンしてくださいよ。

大臣:えー、めちゃめちゃイケてるっていうバラエティ番組が……終了しましたね。

一同:(笑)。

:雑だなー。

玉木:略してた部分を開いただけっていう(笑)。

大臣:tofubeatsが毎週録画してたって言ってました。

:人の名前を出したよ(笑)。

大臣:こいつヤベー!って思いましたね。録画してみるようなものかって。

:大臣そんなに思い入れないでしょ?

大臣:全然ないです。

:次、「米津玄師ロングヒット」。

大臣:今年最大のヒットじゃないですか? 去年が星野源だとしたら、今年は米津玄師です。

:雑な感じの続くねー。

玉木:今YouTube見てると、米津玄師の広告すごい出てますね。

西村:YouTubeの広告といえば、ブラウザをGoogle Chromeに変えたら広告がすごい減ったんですよ。めちゃくちゃ快適で。

澤部:へー!

西村:打ち合わせでたまに使う喫茶店があるんですけど、そこの店主がずっとエリック・クラプトン流してるんですよ。でもYouTubeで流してるから生命保険のCMとかがちょくちょく挟まってめちゃくちゃダサいんです。

一同:(笑)。

:それはかなり杜撰だね。

西村:これは店主にも教えてやらなあかんなと思って。Chromeにしろと。

唐木:YouTube Redってあったよね。広告無くなるやつ。

金子:なんですかそれ?

西村:左翼的なやつですか?

:赤軍派?
 
・なんて気の毒な人だよ
 
:そして、大臣が挙げたなかで一番重い話題なんじゃないかというのが「モト冬樹スズメ違法飼育事件」(笑)。

一同:(笑)。

唐木:まず説明をお願いします。

大臣:ある日、モト冬樹が傷ついたスズメを見つけて……。

:なんだよ、その童話の導入(笑)。

大臣:むかしむかしあるところにモト冬樹とエド山口がおりまして……。

一同:(笑)。

大臣:傷ついたスズメがかわいそうだってことで、自宅に連れて帰って世話をしたんですよ。

:恩返し確定パターンじゃん。

大臣:でもスズメを飼うこと自体が違法なんですよ。それを知らない冬樹がブログに上げたら炎上しちゃって。

澤部:市民警察が!

西村:ビジランテ達が!

一同:(笑)。

唐木:鳥獣保護管理法で野鳥を捕まえたらダメって決められてるんだよね。

大臣:なんか「美味しんぼ」でも、そんな話ありましたね。

:あったっけ?

大臣:なんか…食っちゃいけない…鳥がいるって……。

一同:(笑)。

西村:詳しく!

:うろ覚えのままで最後まで聞かせて!

大臣:なんか山岡?でしたっけ? 主人公のやつがうまいうまいって鳥食ってたら、海原雄山がやってきて「バッカモーン! お前何食ってんだ! それは食べてはいけない鳥だ!」ってめちゃくちゃ怒るっていう。

一同:(笑)。

:大臣のフィルター通った美味しんぼ、朴訥極まって最高だなー。

金子:なんの鳥かも分からない(笑)。

:それでモト冬樹は色んな人に怒られまくったって話? なんて気の毒な人だよ。

大臣:すごいいい奴なんですよ。

:そのスズメはどうなったの?

西村:野に返したんですかね。

大臣:それか民衆に焼かれたか……。

西村:なんでそこまでのことが起こるんですか(笑)。
 
・ヘイSiri!
 
:大臣、「スマートスピーカー」って書いてるけど興味ないでしょ?

大臣:全然興味ないですね。

:すごい人だな。誰かSiriは使ってたりする?

唐木:俺Siri呼び出してアラームかけたりしてるよ。

澤部:普段はSiri使わないんですけど、こないだ運転してる時にすごい気持ちが昂ぶって、「ああこんな気持ちのときはThe Beach Boysの『サーフズ・アップ』が聴きたい!」と思って。

西村:ご機嫌ですねー。

澤部:すごいエモくなっちゃってて。

玉木:どこ走ってたらそういう気持ちになるの?

澤部:五日市街道なんだけど(笑)。

一同:(笑)。

澤部:それで恥を忍んで、「ヘイSiri! Beach Boysの『サーフズ・アップ』を流して!」って言ったら、「わかりました。トリプルファイヤーの『スキルアップ』を流します」って(笑)。

一同:(笑)。

:創作落語じゃん!

澤部:アップしか合ってない(笑)。

:聴いたの?

澤部:すぐ路肩に止めましたね。

一同:(笑)。

・美しいパンだった

:個人的に今年の芸能ニュースのなかで、一番印象に残ったのが「魔女菅原現役復帰」。誰も興味ないでしょ?

大臣:興味ありますよ!

一同:(笑)。

:決勝まで行ったけど負けちゃったんだよね。アンジェラ佐藤に。ロシアン佐藤には勝ったんだけど。

金子:今大食い界隈に、エースはいるんですか?

:女子だとアンジェラ佐藤だね。モリー・スカイラーっていう怪物もいるんだけどそれは別枠。

唐木:ホットドッグの人はまだいるの?

:小林尊? ヒグマとソーセージ早食い対決した人ね。あの人は完全に日本の大食い界から離れてる。

澤部:アメリカですよね。

:そうそう。小林尊のストイックな感じもいいけど、大食い好きとしては赤阪さんやジャイアント白田、新井和響から始まった、あのめちゃくちゃな感じが好きですね。

大臣:懐かしいなー。飢えるジャンヌダルク赤阪。

唐木:そんなに大食い好きなの?

大臣:大食い直撃世代ですよ! フードバトルクラブとか。

:ね! 流行ってたよね。流行りすぎて、真似した小学生が喉詰まらせる事故があって。

澤部:それで一時期やらなかったのか!

:そこから、早食いじゃなく時間かけていっぱい食べる方にシフトしていったんだよ。昔は異常なルールで、走りながら寿司食ったりしてたからね。45分でどれだけ体重増やせるかっていう対決でひたすら水飲むやつとかもいて、「こりゃすげえ!」って盛り上がってたんだけど。

大臣:面白かったですねー。

西村:それ、優勝した人は本当に尊敬できるんですかね。

:根源的な問いだな。

大臣:たしかにそう言われると……。

:そういうカオスが去った後、安全性を重視する純粋な大食い競技となったテレ東期で不気味なまでに圧倒的な強さを見せたのが魔女菅原で。そのスターが8年ぶりに公式戦に復帰するという、これはもう一大トピックなんですよ。

大臣:魔女菅原、今パン屋やってますよね。

:そうそう! 菅原復活劇の何が一番良かったっていうと、放送後にロシアン佐藤とアンジェラ佐藤のインスタ見てたら、「魔女菅原がくれたパンが美味しかった」って書いてあって。美しいパンだった。目頭が熱くなったね。

西村:今日一番語りましたね。

唐木:俺、ジャイアント白田だけ分かった。

:ジャイアント白田のうどん屋、「しろたや」っていうんですけど、一人前が16玉(笑)。

一同:(笑)。

澤部:馬鹿だなー(笑)。

唐木:東京にあるの?

:もう潰れました。

一同:(笑)。
 
・ヘロインに溺れたPUFFY

:「巨星墜つ」。今年も落ちましたね。

大臣:キキとかね。

唐木:なんで名字だけで言うんだよ(笑)。樹木希林ね。

大臣:亡くならない雰囲気でしたよね、樹木希林。

澤部:エンケンさんもそうだ。

:死なない雰囲気の人っているよね。裕也さんもその枠だったんだけどちょっと最近危ういな。

大臣:奥さん亡くなるときついんでしょうね。

:でも思い返すと、俺がまだニューイヤーズロックフェスティバルとか行ってたときから危うい雰囲気出てたな。年越しカウントダウンするんだけど、0時5分とかにやるんだよ。
一同:(笑)。

西村:何のカウントダウンなんですかそれ。

唐木:天才だね!

:「みんな! 忘れてたわ! じゃあ今から!」って言って、「テン(裕也)! テン(観客)! ナイン(裕也)! ナイン(観客)!」ってやるんだけど、よく考えたらそれ実質20秒になっちゃってるんだよ!

一同:(笑)。

:なんだこのカウントダウン!って思ってたら「ハッピーニューイヤー!」って裕也さんが言って、ジョニー・B・グッドのイントロが始まる(笑)。超越した自由さなんだよ。

西村:めちゃくちゃすごいじゃないですか(笑)。

:結構人いるのにさ、誰も突っ込まないんだよ? ほんとすごいよ。

西村:いい話ですねー。

:あのイベントは裕也さんが出てくるまでが結構きついんだよ。最初の方から行くとヘロインに溺れたPUFFYみたいな人達が歌ってたりして。舞台装置も結構渋くて、変なタイミングで煙がポンって出たりして(笑)。

澤部:一興ですねー(笑)。

:ほんと笑い出しそうになるんだけど、隣の席のロックぽい格好の人はドラムスティック出してきてエアドラムやってたりしてるから、これ下手に笑ったら殺されるんじゃないかと思って。あれは緊張感あったね。
 
・誰が悪いの!?
 
:公開50周年記念で「『2001年宇宙の旅』70mm版特別上映」っていうのがあってすごい良かったんだよね。かなりの倍率で奇跡的にチケット取れたんだけど。特に良かったのが、メインスクリーンの下に小さいスクリーンを別に作って、そこに字幕だけ写してて。それだけで映像のレイヤーが二層にならないから、没入感が段違いで。小さな工夫でこんなに違うんだなと思って感動した。

西村:あー! それはいいなー!

大臣:ビジネスの種だなー。明日会議で提案してみます。

澤部:樹脂業界なのに(笑)。

:会場の人も気が利いててさ、「劇場の中では上映当時の50年前には無かった光や音は出さないようにしてください」ってアナウンスがあったりして。ようするに携帯を使うなっていうことなんだけど。

金子:洒落てますねー!

:あれが今年の映画体験でいちばんだったね。おもしろかったのが、70mm版ってすごい生っぽい迫力で画面が噛み付いてくるみたいなんだけど、寝るやつは寝る(笑)。ガンガン寝てるおっさんとかいて。

大臣:贅沢な睡眠だなー!

:最高のバイヴスだ! このおっさん大好き!って思ったもん。

大臣:50年前にもいたんでしょうね。酔ったおっさんが迷い込んで「よくわかんねぇな、これなぁ」って(笑)。

:「誰が悪いの!?」って。

大臣:「誰が死んだの!?」って(笑)。
 
・私、一滴も飲んでおりません!
 
澤部:そういえば、「大臣ライブ復活」っていう噂を聞いたんですけど。

西村:それ大ニュースですよ!

:ノミニーですよ!

大臣:ああ、明日です。明日仕事帰りにワンバースキックしてきます。

:かっこいいなー。

大臣:LIQUIDROOMでtofuくんのワンマンがあるんですよ。

:組合の寄り合いの帰りにワンバースキックする会社員。

一同:(笑)。

大臣:一発かましてきますよ。

:「オノマトペ大臣でーす! 私、一滴も飲んでおりません!」って(笑)

一同:(笑)。

:僕が一番好きな大臣のMC(笑)。誰を盛り上げようとしているのか全然分からない。

大臣:全然覚えてない(笑)。

:マルチネが歌舞伎町でやった時ね。客もなんだか飲まれちゃってワーッとか言って(笑)。

金子:盛り上がる要素ないMCですよね。

:何もないんだよ。だからなんだよって(笑)。

大臣:でもどうなんでしょうね。明日、知らないサラリーマンが急に出てきて、みんなどう思うんでしょうね。

:でも「水星」歌ったりするんでしょ? それは盛り上がりますよあなた。台湾で話した若い子も知ってたよ「水星」。

大臣:お、そうですか!

西村:それ違法アプリで聞いてるんですか(笑)。

:うん。ガチガチに違法のやつ。
 
余談に次ぐ余談は5時間に及び、アワードを決めるという趣旨は全員の頭から遙か遠く失われ、満面の笑顔で帰路に付いたトーベヤンソン・ニューヨークのメンバー達。危惧していた通りの結果となったが、帰り道の足取りは軽く、浮ついた満足感と心地良い寂しさが胸に残った。結成8年にしてこの体たらく、But I like it.と呟き布団に潜り込んでため息と思い出し笑いを一つ。なろうなろう。あすなろう。明日は檜になろう。トーベヤンソン・ニューヨーク・アワード2018を受賞したのは「紀州のドンファンの家の壁」です。


漫画家・西村ツチカによる「紀州のドンファンの家の壁」のイラスト。(Illustration by Tsuchika Nishimura)

Keita Mori|森敬太
京都府生まれ、デザイナー/アートディレクター。書籍、CD、などの装丁を手がけながら、2011年から自主制作漫画レーベル「ジオラマブックス」を主宰、漫画誌『ユースカ』を発行。2017年、合同会社飛ぶ教室を設立する。スカートの澤部渡、元コミックナタリー編集長・唐木元、漫画家の西村ツチカ、ラッパーのオノマトペ大臣らと趣味のスーパーバンド「トーベヤンソン・ニューヨーク」として活動、ギターを担当する。

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