BLACKPINK、5万人を魅了した京セラドーム大阪公演の全貌

「SPECIAL FINAL IN KYOCERA DOME OSAKA」のステージに立ったBLACKPINK(Photo by PRESS)


4人4様のキャラクターと可能性を
感じさせたソロ・コーナー

ソロ・コーナーは驚きと発見の連続だ。トップバッターは女性ダンサー陣を従えたLISAで、カーディ・Bの「I Like It」、ティンクの「Faded」、そしてチャーリー・プースの「Attention」といったトラックに合わせて、妖艶かつアグレッシヴなダンスを交えながら花道を練り歩く姿は女神そのもの。もともとダンサーとしてのスキルには定評のある彼女だが、テレビ番組やSNSなどで見るムードメーカー的な「いじられキャラ」とは打って変わって、アスリートのごとく鍛え上げられたカラダひとつで5万人のオーディエンスの心を完全に掌握していた。

この日唯一の生楽器となったグランドピアノの隣に腰かけて、いつも以上にアダルティーな歌を聞かせてくれたのはROSÉ。ビートルズの「Let It Be」から、パク・ボム(元2NE1)の「You And I」、SOL(from BIGBANG)の「ONLY LOOK AT ME」の3曲をメドレーで披露したのだが、ドームがまるでブルーノートなどのジャズ・クラブを思わせる親密な空間へと姿を変えていた。同じ歌姫でも、JISOOはよりオーセンティックなシンガーソングライターの系譜というか、風格すら漂う力強い歌声で中島美嘉の「雪の華」を熱唱。夏のツアーでは「桜色舞うころ」を歌っていただけに、どんだけ好きやねん! とツッコミ不可避だが、その包容力に満ちたヴォーカルは叙情的な日本語の歌詞にもぴったりだ。

パフォーマンスとファンの期待感がカチリとはまって大爆発を起こしたのは、やはりラストに登場したJENNIEの「SOLO」だった。リアーナみたいに挑発的なのに、どこか脆さを感じさせるガーリーな歌詞とサウンドがこの曲の魅力だが、キーホルダーを人差し指でクルクルと回転させるような振り付けと、《solo lo lo lo lo lo…》のリフレインは早くも会場中のBLINKが完コピ。前回のツアーで話題となった「君の瞳に恋してる」のミュージカル・ライクなカバーも絶品だったが、「SOLO」は自分だけのオリジナル曲とあって本人も相当気合が入っていたのだろう。JENNIEがこの路線ならば、LISAは憧れのニッキー・ミナージュよりもM.I.A.風の無国籍なビートが似合いそうだな……なんて妄想が膨らみつつも、様々な可能性/展開を予感させる充実のソロ・コーナーだった。

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ロック・バンドでは珍しいことじゃないし、日本でもAAAなどの成功例があるが、ソロ/サイド・プロジェクトでの経験がリアルタイムでグループ本体に還元されていく喜び。筆者はゼイン・マリク在籍時のワン・ダイレクションのコンサートを2回見ているが、彼がもし1Dの活動と並行してソロ・デビューを実現していたら、未だにグループに残っていたのでは? と考えることがある。脱退の道を選択せずともソロでの表現を模索できる風通しの良さは、YGおよびK-POPの強みなのだろうが、LISA、ROSÉ、JISOOの3人がJENNIEに続いてソロに乗り出したとき、BLACKPINKという屋号はもはや向かうところ敵なしの存在となるはず。

クリスマスを祝福するメドレーと、
BLINKからのサプライズ・プレゼント

クリスマスに向けたツリーやプレゼントの準備をする4人のほっこりVTRが流れた後は、真っ赤なサンタコスに身を包んだメンバーがクリスマス仕様のダンスMIXでオーディエンスのハートを撃ち抜く。JISOOの「プレゼントは、私たちです!」というキュートなMCや、巨大なクリスマスケーキなどのサプライズも挟みつつ、ワム!の「ラストクリスマス」や「赤鼻のトナカイ」をファンと共に合唱してクリスマスイブを祝福した。

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さらに、BIGBANGのV.Iがボスとして映し出され、ドッと歓声が上がった謎の脱出ゲームの映像に続いてデュア・リパとのコラボ曲「Kiss and Make Up」を歌い上げ、韓国の伝説的な女性グループ=ワンダーガールズの「So Hot(THEBLACKLABEL Remix)」をセンシュアルにカバー。関西弁で「めっちゃ好きやねん!」と大阪&BLINKへの愛を伝えたかと思えば、これまた日本語バージョン初披露の「REALLY」と「SEE U LATER」で一糸乱れぬ歌とダンスを炸裂させ、今度はスクリーンに4人がサーキットでトップ争いを繰り広げるショートフィルムが流れる。さりげないグッズ紹介も兼ねていた同映像が終わると、EDMとボリウッドが出会ったようなアンセム「BOOMBAYAH」、青・緑・赤と目まぐるしくカラーチェンジする火柱がインパクト絶大な「PLAYING WITH FIRE」、そしてキャノン砲からキラキラとした金テープが舞い飛んだエズラ・ミラーもお気に入りのポップ&カラフルなナンバー「AS IF IT’S YOUR LAST」で本編を締めくくった。

アンコールを求めるかけ声が、どこからともなく「STAY」の大合唱に変わっていく感動的なシーンを経て、突如マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が爆音で流れはじめると、メンバーが乗った巨大なトロッコがアリーナ席の外周をぐるっと一回り。スタンド席にボールやプレゼントを投げ入れるファンサービスの後は、ライブ初出しとなる「WHISTLE(Remix version)」や、2周目の「DDU-DU DDU-DU」でライブはいよいよクライマックスへ。最後の「STAY(Remix version)」を歌う前に、日本のファンからのメッセージ動画がスクリーンに映し出されたのだが、その後ふとメンバーが客席を振り返るとオーディエンス全員が「BLACKPINK & BLINK FOREVER」と書かれたハート型のスローガンを掲げているというサプライズ。これには「ビックリしました」「いつ準備しましたか〜?」とメンバーも感激した様子で、自らのスマホでその美しい光景を撮る姿も。JENNIEが「この気持ちで『STAY』を歌ったら泣きます(笑)。でも、私たちの一番大好きな曲を一緒に歌いましょう!」と告げて、初のドーム公演は大団円を迎えた。

ソロ曲や「Kiss and Make Up」での勢いは水を得た魚のようだったし、個人的にはMC以外オール韓国語バージョンでも聴いてみたいとも思ったのだが、自分たちだけの言語でBLACKPINKの楽曲を独り占め&シンガロングできる我々日本のBLINKは、もしかすると世界一恵まれているのかもしれない。

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去る10月には、レディー・ガガやラナ・デル・レイ、ビリー・アイリッシュといった錚々たるアーティストが所属するインタースコープと契約を交わしたBLACKPINK。2019年の全米デビューに先駆け、1月からはLISAの故郷タイを含むアジア・ツアーも決まっているが、彼女たちがアジア最強のガールクラッシュとして地球上の「エリア」を制覇する日は、そう遠くないだろう。

Rolling Stone Japan 編集部

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