EVILとSANADA、2人が体現する「タッグ」の真髄

左からEVIL、SANADA(Photo by Shuya Nakano)



EVIL&SANADA組が目指す闘いは「上質なフルコース」なんだ

─確かに即席タッグではありましたからね。では、一方のゴールデン☆ラヴァーズはどうなんでしょう? 特にEVIL選手は飯伏幸太選手とは対戦経験がないはず。その点でも興味深い組み合わせかと思うのですが。

SANADA:EVILが飯伏について語るのは、初めて聞くかもしれない。自分も興味深いですよ。

EVIL:まぁ、これまで聞かれたことがなかったし、俺自身も特に語りたくないしな。

─語りたくない、という理由は?

EVIL:語る価値もない、と言ったほうが正確かもしれない。正直なところ興味がないんだよ、飯伏にもゴールデン☆ラヴァーズにも。

SANADA:実は自分もそうなんですよ。ゴールデン☆ラヴァーズには、まったく興味がないというか、EVIL&SANADA組が闘うべき相手ではないと思っていて。わかりやすく言えば、自分たちとはプロレス観が違うんですよね。

EVIL:その通り。奴らについて、誰かが上手いコト例えていたよな。

SANADA:誰だったかは忘れたんですけど、ゴールデン☆ラヴァーズの試合は、寿司に例えればウニ、イクラ、ウニ、イクラみたいなもんだ、って言ってたんですよね。

─この上なくゴージャスなコンボじゃないですか。

EVIL:好きな人にはたまらない組み合わせだろうし、誰が観ても豪華だとわかる、という意味なんだろう。だが、俺ならそんな食べ方はしたくない。

SANADA:まさに好みの問題なんですけどね。いろんな食べ方があってもいいし、料理を出す側のコンセプトも様々だから、それ自体を否定はしないんだけど、自分個人の好みとしては、ウニ、イクラ、ウニ、イクラみたいな試合は面白くないよなと。

EVIL:俺とSANADAのタッグは、そんなに単調なものじゃないからな。料理でいえば、もっと上質なコース料理みたいなものなんだよ。

SANADA:そう。ちゃんと品数も揃えるし、料理の順番だって吟味したい。そこは、EVILといちばん気が合うところなんですよね。ファンからの要望があれば闘ってみてもいいし、負ける要素はひとつもないんだけど……。

EVIL:ズバリまとめてしまえば、今は絡みたくない、というのが正直な気持ちだな。



技の数で競い合うようなプロレスには、まったく興味がないね

─こうして話を聞いていると、あらためて息の合う2人なんだなって思います。タッグの試合を観ていても、互いの持ち味を活かして、まさに1+1が何倍にもなるような闘い方をしているなぁっていう印象がありますし。

SANADA:パートナーとしてのEVILは、まさに自分の足りない部分を補ってくれる頼もしい存在ですよね。L・I・Jの中でも、いちばんの理論派というか、頭で考えて試合をするタイプなんです、彼って。つい感覚で動いてしまう自分とは真逆のレスラーなんですよ。

EVIL:確かに性格もファイトスタイルも正反対だな。だからこそ、タッグとして機能しているともいえるわけだが。

SANADA:とはいえ、実は互いに根本的な部分でのプロレス観が、すごく似ているんです。だから、スタイルは真逆でも意思の疎通が図りやすい。

EVIL :ここぞ、という時に合図をしなくてもカットに入ってくれたり、攻め時も、SANADAはよくわかっているから。

─「根本的な部分でのプロレス観」って、具体的にはどういうものなんでしょう?

SANADA:うーん、言葉にするのって結構難しいんですよね。

EVIL:当事者でないと伝わらない部分が多いかもしれないな。

SANADA:ですよね。わかりやすいところから言えば、2人とも比較的技の少ない方だと思うんですよ。だから周囲から、もっと技の数を増やしたら? とか、コンビネーション(技の組み合わせ)を増やすべき、みたいなことを言われがちなんですけど……。

EVIL:そういう問題じゃないだろう……。

SANADA:技の数で闘うみたいなプロレスは違うよな、っていう気持ちは2人とも強いですよね。そういう近道はしたくない、というか。

─なるほど、そこは2人の試合を観ていてよくわかります。シングルでもそうですし、タッグの場合でも派手な連携技みたいなのは少ないですものね。それでいて、いわゆる“隙間のない”試合を展開させることができるのって、本当に凄いことだと思います。

SANADA:そういえば、控室で話をしていたときに(互いのプロレス観を説明するのに)一般の人にもわかるような例えを思いついたことがあったじゃないですか。

EVIL:あー、なんだったかな?

SANADA:なんでしたかねぇ。2つか3つくらい出たんだけど。

EVIL:実にいい例えだった、という記憶はある。

SANADA:ですよね。

─気になりますねぇ。ぜひ思い出してくださいよ。

SANADA:(しばらく考えて)……いや、まったく思い出せないです(笑)。

─(笑)。

SANADA:というか、正確に言うと試合会場から出ると忘れちゃうんですよね。そういうところも、2人とも似ていて。

EVIL:そもそも、試合以外ではほとんど話をすることもないしな。

SANADA:そのかわり、話すときは、すごくたくさん、いろんな話をするんですよ。でも、全部忘れてしまうという(笑)。

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