ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ソング」トップ50

18位 ショーン・メンデス「ナーヴァス」

カナダのアイドル、ショーン・メンデスは、青春時代の苦悩から「トリート・ユー・ベター~ボクならキミを絶対に大切にする」や「ホールディン・ミー・バック」といった胸をも焦がすシングルを生み、世界中を熱狂させるスマッシュヒットを飛ばした。だがこの曲は、セクシーで叙述的。セルフタイトルのサードアルバムの中でも際立っている。グルーヴ感を炸裂させ、ファルセットで歌い、思いを寄せる相手に「実は気になってるんだよね」と、キュンとするほど自虐的に告白する。「ナーヴァス」は、クールガイの仮面を脱ぎ捨て、身のこなしの柔らかな紳士へと生まれ変わったメンデスの、セクシーでソウルポップな一面を見せている。

17位 エリック・チャーチ「Desperate Man」

ハンドドラムと安酒場のピアノ、サソリの一刺しのようなギターフレーズ。ストーンズの「ギミー・シェルター」を思い起こさせるこの曲は、混乱の時代の影で生まれた究極の崖っぷちソングだ。だが、バブルガム・ソウル風のボーカルには、ジャクソン5のような響きもある。最新アルバムと同名のリードシングルは、表向きはカントリーシンガーの彼らしからぬサウンドだが、完全にうまくハマった。しかも、幾多の危機をくぐりぬけてきた男がいまなお健在であることも証明してみせた。この分なら、この先もまだ何かやってくれるだろう。

16位 アリアナ・グランデ「サンキュー、ネクスト」

控え目に言っても、彼女にとってはいろんな出来事があっ1年だった。次から次へとヒットを連発――「ゴッド・イズ・ア・ウーマン」は我々に愛を、「ノー・ティアーズ・レフト・トゥ・クライ」は耐えることを、そして「サンキュー、ネクスト」は痛みを教えてくれた。ピート・ダヴィッドソンとの婚約を解消した直後、彼女はシングルチャートNo.1で、元恋人たちへ温かいメッセージを贈った。その中には、いまは亡きマック・ミラーも含まれている。自分のプライベートな晴れ舞台で、リスナー全員を花嫁付添人にするなど、彼女以外に一体誰ができるだろう?最後のサビ、母親に手を引かれながらバージンロードを歩くところでまったく心が動かされなかったあなたは、十中八九サイテーの人間だ。サンキュー、アリアナ。

Translated by Akiko Kato

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