ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ソング」トップ50

20位 The 1975「ラヴ・イット・イフ・ウェ・メイド・イット」

「車の中でセックスして、ヘロインを打ってるところ/気晴らしに過激なことをしゃべってる」UKポップグループによる軽快で、ちょっとイカれた全世界への演説は、こんな歌詞で始まる。警告はしておいたはず。ここからさらにヒネリが効いてくるのだ。リードシンガーのマッティ・ヒーリーは、大統領執務室にいる性差別主義者の暴君に目を丸くし、近代化が押し売りする嘘にため息をつく。リル・ピープへの追悼を叫び、今年のワーストNo.1のツイートを繰り返す(「ありがとうカニエ、すごくクールだ!」)。絶え間なく流れるニュース映像とともに神経を逆なでされつつ、そこはかとなく漂う楽観主義が見事なバランスを保っている。

19位 J.バルヴィン&ニッキー・ジャム「X」

一目ぼれを信じるかい? ニッキー・ジャムとJ.バルヴィンは信じる派だ。しかも、一歩間違えば卑猥になりかねない超エロティックな方法で、それを表現する。ラテンポップの猛者は、敬愛するロックにダンスホールのスタイルを組み合わせ、頭がクラクラするようなシンセホーンを響かせる。「首にキスさせてくれたら、渇きも癒えるよ」と誘うジャムの饒舌な口説き文句が、バルヴィンの飾らないクールさを引き立てる。

Translated by Akiko Kato

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