2018年の「英米クロスオーバー現象」の先駆け ポスト・FKAツイッグス的存在から、ネイオが世界的に羽ばたこうとしている理由

実際、本作はアルバム全体を通して、何かしら大切な関係に区切りをつけ、新しい世界に進もうとしていることを歌っている。ネイオ本人もアルバムを象徴する曲と言っているオープニング・トラック“アナザーライフ・タイム”は、長年連れ添ってきたパートナーとの別れを歌ったハートブレイク・ソングだ。

Nao - Another Lifetime




しかし、アルバムのラストを飾る「ア・ライフ・ライク・ディス」では、様々な苦難を乗り越えて辿り着いた幸福を噛みしめている。そこで歌われているのは、ボン・イヴェールと共演したコーチェラでの体験である。

「だから、“ア・ライフ・ライク・ディス”の歌詞は、「Michicant,if you ever dream of a life like this~(こんな人生を思い描いたことがある?)」というフレーズから始まるの。車の中で、“Michicant”を聴いていた私が、1万人の前で今度は“Michicant”をパフォーマンスしている。それはとてもスペシャルなことだったから。この曲の最後では“And Saturn won’t return to me”って歌っているんだけど、それは、こういった大変な時期(サターン・リターンズのこと)をまた迎えたくない、っていう意味。とても困難で苦しい時期だったから、そこからまた違うところへ行く準備ができている、っていう意味でこう歌っているの」

まさにこのアルバムは、ネイオのあらゆる面における成長を刻んだ作品だろう。彼女自身は本作をこのように位置づけている。

「『サターン』は、少女が大人になっていく時のスナップショット。成人していく時のスナップショット。そして、20代から今まで、そして30代に入っていく過程のスナップショット。愛とハートブレイクのスナップショット。成長過程のスナップショット。そういったものすべてのスナップショットね」

Edit by The Sign Magazine

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