フィロソフィーのダンスの「有機性」を体感、ツアー初日レポート

ライブ後半戦は、シタールやタブラの音色をフィーチャーしたサイケデリックな「アルゴリズムの海」から。そう、この日の彼女たちの衣装は、これまでの80年代風ファッションから、70年代を意識したサイケデリックなデザインに。妖しい踊りでオーディエンスを魅了した後、「コモンセンス・バスターズ」ではカーティス・メイフィールドの「Move On Up」、「ラブ・バリエーション」ではスライ&ザ・ファミリー・ストーンの「Dance To The Music」、「はじめまして未来」ではアース・ウィンド&ファイアの「September」からフレーズを引用し、コアな音楽ファンの心をくすぐった。しかも、「はじめまして未来」のメロディはキャンディーズ「年下の男の子」をも彷彿とさせ、メンバーの歌に合わせて一人一人にコールがかかるなど、様々な楽しみ方のできるフィロのスの楽曲に、改めて唸らされた。

いよいよライブはラストスパートへ。「ライブ・ライフ」では歌詞に合わせてミラーボールが回り出し、「アイドル・フィロソフィー」ではメンバー全員が力強く拳を突き出すと、再びシンガロングが巻き起こった。本編ラストは「ハッピー・エンディング」。ポール・ウェラーの「Broken Stones」を思わせる、グルーヴィーなエレピに合わせてメンバーが「一緒に歌いましょう!」とサビのリフレインをオーディエンスとともにシンガロング。十束が「まだまだ足りないよ!」と煽り、さらに奥津が「こんなんじゃあと10年続いちゃうよ!」「あと5年だよ、もっと頑張れ!」と畳み掛け、日向が「早くビール飲みたいから声出して!」と笑わせるなど、終始ピースフルな雰囲気が会場を包み込んだ。

アンコールは、事前に配られたサイリウムをオーディエンスが点灯させる中、「ヒューリスティック・シティ」でスタート。ここでメンバー4人から、3月22日に3枚目のオリジナル・アルバム『エクセルシオール』がリリースされることが告げられ、会場が歓喜に包まれる中「ベスト・フォー」、「ジャスト・メモリーズ」を歌い上げステージを去った。

鳴り止まぬアンコールに応え、再び登場した4人はバンドとともに代表曲「ダンス・ファウンダー」を披露。「それではフィロソフィーのダンス、全国ツアーに行ってきます!」と挨拶をして、この日のステージは大団円を迎えた。

バンド・リーダーであり、フィロのスの全ての楽曲を手がける宮野弦士の卓越したソングライティングと、多様性に富んだヴォーカル・スタイル、息の合ったダンス・フォーメーション、そして鉄壁のグルーヴを誇るバンド・メンバー。全てが有機的に絡み合ったステージは、まさにエンターテインメントの鏡と言えるようなものだった。数年前には早くも某大御所アーティストがお忍びで観に来たとの噂が流れたが、フィロのスの快進撃はまだまだ始まったばかりだろう。

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