激増する音楽コンテンツ、果たして「プレイリスト」はミュージシャンの救世主となるか?

カニエ・ウェスト(Photo by DKSStyle / Shutterstock)

YouTubeの親会社であるGoogle/Alphabetによれば、現在1秒ごとに、400時間以上の動画がYouTube上にアップデートされているという。

音楽関係者たちの間で頭脳明晰だとして一目置かれている人物に、Liberty Media社のCEOグレッグ・マッフェイがいる。衛星ラジオSirius XMを子会社に持つ、年間売上80億ドルのアメリカ企業で、Spotifyのライバル会社Pandoraを近々買収する予定だ。Live Nationの株式の1/3も所有している。11月中旬、Liberty社の投資家たちに向かってマッフェイ氏は、まだそこまで深刻ではないが、そこそこ面倒な問題が今後ショウビズ界を直撃するだろうと警告した。

彼が引き合いに出したのは、FXネットワークス社のCEO、ジョン・ランドグラフ氏の数字だ。データによれば、2017年にアメリカ国内で放映されたオリジナル脚本のTVシリーズは487本――インターネットシリーズを含めると、2012年から680パーセントも増加している。マッフェイ氏は、全体として「コンテンツビジネスは恐ろしい場所と化した」と警告。さらに、InstagramやFortnite、Facebook、Twitterを含むメディア全体を通して、「オーディエンスの時間の取り合いが激化している……だが1日は24時間しかない」とけん制した。

急増するコンテンツの中から逸材を探し当てるため、音楽業界ではInstrumental、Asaii、SodatoneといったITスタートアップ企業が生まれた。これらAI主導型ツールは機械学習を駆使して、Spotify、YouTube、SoundCloud上の何千万人もの無名アーティストを発掘している。そして、主にストリーミング・パフォーマンスをもとにして、有望な逸材に光を当てるのだ。10月、AppleはAsaiiを買収(厳密には企業買収による人材獲得)。ワーナー・ミュージック・グループも3月にSodatoneを手に入れた。買収価格は明らかにされていない。

大手レーベルはこうした(ほぼ)DIY音楽の宝の山から、確実に甘い蜜を吸っている。ユニバーサル、ソニー、ワーナーは、このチャンスに乗じて、自分たちの宣伝広報の知識があれば、デジタル音楽業界を独占できると信じているのだ。Music Business Worldwideの予測によれば、2017年、全世界の音楽ストリーミングサービスの全収入のうち80パーセントは、大手レーベル配信の楽曲だと言う。

Translated by Akiko Kato

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