ニッケルバックが語るライブの美学、解散の危機、ロックが不滅である理由

―では、ここで新作の原点にあるヘヴィでアグレッシヴな音の出所について少し教えてください。影響された受けたアーティストはどの辺になるんでしょう?

マイク:最初はブラック・サバス、ジューダス・プリースト、そして、メガデス、メタリカ、アンスラックス……当然ながらスレイヤーも聴いていた。自分で音楽をやろうと決める前から聴いていたのが、そういう音楽だったからね。

―王道メタルからスラッシュ・メタル四天王までガッツリ通ってるんですね! その後はどういう風に変わっていったんですか。

マイク:色々変わったよ。特に子供ができてから、彼らの影響で音楽の幅は広がったかもしれない。今となっては2人の子供がどちらもミュージシャンでシンガーソングライターをやっているんだけど、知らなかった音楽を彼らに教えられたり、俺が彼らに教えて、気に入ってもらえなかったりとかね(笑) 。そういえば、ビートルズを子供達に聴かせときに最初はピンと来なかったみたいだけど、理解されるまであの手この手で聴かせるうちに、やっと良さをわかってもらえた。ビーチ・ボーイズもそうだったな。同時に、俺自身もその辺に改めて興味を持って聴き直してみたりしてね。かと思えば、娘が放っておいても興味を示したのがピンク・フロイドなんだ。あれは意外だった。何がきっかけだったのかもわからないんだけどね。でも俺としては大歓迎だ。何しろピンク・フロイドは俺が一番最初にハマったバンドだからね。当時の俺は今の娘たちよりも若かった。13歳とか、そんなもんだろう。俺の人生に多大な影響を与えたバンドだね。

―ヘヴィ・メタルよりも前に、プログレッシヴ・ロックの方を先に聴いていたんですね?

マイク:まあ、そうだね。同じくらいかもしれないけど。振り返って自分の音楽観の形成に大きな影響を与えたという思えるのはピンク・フロイドだな。


マイク・クルーガー (Photo by Richard Beland)

―逆にお子さんたちから教わった最近の音楽というと?

マイク:う〜ん、アークティック・モンキーズをだいぶ前に子供達に聴かせたことがあって、当時は俺もあのバンドをすごく気に入って聴いていたんだけど、それからしばらくご無沙汰していたところ、彼らの新作『トランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』が出た時、逆に子供達から教えられて聴いてみたら、これが最高だったんだ。今でも最近のアルバムの中では大好きな1枚だ。実は俺のロサンゼルスの家はハリウッドボウルのすぐ近くだから、この前、アークティック・モンキーズがそこでライブをやった時もみんなで歩いてライブに観に行ったからね。

―ちなみに、あなたの住むエリアは山火事の心配はなかったんですか?

マイク:俺がいる辺りは火事の心配はなかった。友達もみんな心配して連絡をくれたけど、幸いこの辺りは大丈夫だった。燃えているエリアからはかなり距離があったからね。しかし、すごいことになっているよね。自宅を失う人が続出していて、本当にひどい有様だよ。

Translated by Kazumi Someya

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