SKY-HI:本当に破綻的な人ですけど、アーティストとしては大好きで。「Ghost Town」のライヴ・パフォーマンス映像を見た時に、やっぱり嫌いになれないなと思いました。あそこでも被ってるキャップが「MAKE AMERICA GREAT AGAIN」で「うーん……」とはなるんだけど(笑)。なんか、5歳児が親から引き離されようとしてる時の「ママー!!」みたいな感じというか。否応なしに胸が締め付けられる感じ。
―アジアの話が出ましたが、88risingにはどういう印象を持ってますか?
SKY-HI:すごいなって思ってます(笑)。つい最近、(曲を共作した)ReddyやHi-Lite Recordsのスタッフとしゃべってたんですけど、(2015年に)キース・エイプが「It G Ma」をヒットさせた時って、言ってみれば(PSYの)「江南スタイル」とかと同じような一発屋扱いだったと思うんです。ルックスも含めて、エイジアン・トラップっていう物珍しさが受けたというか。でも、それを一過性に終わらせずに継続させて、総攻撃を仕掛けていって、みんなが虎視眈々と狙っていたところに同時多発的に火を付けた。
―個々の国やレーベルに生まれていた機運をまとめて提示したのが、88risingだったと。
SKY-HI:(韓国の)Jay ParkのAOMGがあって、Hi-Liteがあって、H1GHR MUSIC、(中国の)ハイヤー・ブラザーズって並列的に存在していたところをフックアップして、流行り廃りで終わりそうなものを組織化してまとめていくとカルチャーになるんですよね。一過性で終わりかねなかったムーヴメントをカルチャーにしてくれた。おかげで、我々も夢見ちゃうよねっていう(笑)。「It G Ma」だけだったら、「すげー!」とは思っても羨ましいとは思わなかった。でも、一発屋が一発当てた後にさらに大きくなるって、めちゃくちゃ最高じゃないですか。そういう、種を育てる教育っていうのは日本が苦手な分野だと思うんだけど、それをちゃんと成功させてるところをリスペクトするし、悔しさもあります。
88risingのクルーが集結したコンピレーション・アルバム『Head In The Clouds』