ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ホラー映画」トップ10

ローリングストーン誌が選ぶ2018年版ベスト・ホラームービー:左から時計回りに『ヘレディタリー/継承』、『クワイエット・プレイス』、『ハロウィン』、『Upgrade』


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宇宙では、叫び声をあげても誰にも届かない――だが、俳優兼監督のジョン・クラシンスキーが描くのは、黙示録後の世界を舞台にした、親たちの悪夢。誰も叫び声をあげてはいけない。そう、誰も。物語の設定も完璧だ。地球外生命は特殊な聴覚を持っていて、生き残った人類を音で見つけ出す。黙っている限り、生きていられる。ホラー映画はあまり好きじゃないという人々に向けて、最大限の衝撃と恐怖をどう操ればよいか、クラシンスキーは実によく心得ている。エミリー・ブラントが釘を踏んでしまった後(しかも出産間近!)、捕食者から逃れようとするシーンは、監督が心底ヒッチコックを熟知していることをうかがわせる。家庭内『エイリアン』とも言うべきこの作品が、『エイリアン』シリーズの最終局面を迎えた後も、恐怖はこれでもかと続く。予想外のヒット作となったのもうなずける。
※日本では、一部の地域で公開中


5位『Upgrade(原題)』
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またの名を『ブラック・ミラー』とボディホラーのマリアージュ。低予算映画の流れをくむリー・ワネルの豪華B級ホラーは、まさにその手の胸糞悪い、それでいて見ごたえ十分な流血シアター系。劇場にこっそり忍び込み、あるいはNetflixの順番待ちをしてでも見たくなるジャンルだ。ローガン・マーシャル・グリーン演じる平凡な男は、ギャングの襲撃で妻を亡くし、身体の自由を失った後、最新テクノロジーの恩恵に預かる。頭の後ろに埋め込んだ装置のおかげで、身体の自由を取り戻したのだ。ただし、へへへ、おちがありましてね。脳につないだこの人工知能装置には攻撃モードが付いているときた。『ロボコップ』とハル9000のマリアージュ、そこへ昔懐かしスプラッターの要素を少々。いろんな意味で練られたタイトルだ。
※日本公開未定
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各地の映画祭で上映された後、2月にそのままNetflixで配信されたため、ホラーファンのレーダーには引っかからなかったかもしれない。だが、男たちのハイキング旅行が惨事へ変わるデヴィッド・ブルックナー監督の作品は、ファンなら絶対見逃せない。ホラー映画の生存ルールが頭をよぎる。決してノルウェーの森の探検旅行を計画しないこと。探検するときは、必ずガイドブックをチェックして、その土地には古えの宗教の信奉者や、何世紀も崇め奉らえた神がいないことを確認すること。暗い、人里離れた森の中では、絶対に近道を通らないこと(グリム兄弟の童話を読んだことはないのか?)そして、決して、決して“さびれた”小屋で一夜を明かさないこと。寝ている間に、首の無い物体が我を崇めよと要求してくるから(『ブレアウィッチ・プロジェクト』を見たことがないのか?)。不安のかき立て方、恐怖のにおわせ方、化け物を登場させるタイミングを知り尽くした作品だ。
※Netflixにて視聴可能

Translated by Akiko Kato

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