ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ポップ・アルバム」トップ20

6 ヘイリー・キヨコ『Expectations』
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ヘイリー・キヨコ自身が言っているように、今年は20GayTeen(※2018年の18[エイティーン]をGayTeenにしたキヨコの造語)だ。ファンは彼女を「レズビアン・ジーザス」と呼ぶ。彼女はファンのExpectations(期待)に応える。しばしの外遊のあと、キヨコは人気番組『レモネード・マウス』で高校生ロックスターとして過ごした古巣ディズニー・チャンネル時代の自分に戻ることにした。そう、今作『Expectations』で彼女は原点に戻っている。奇妙な三角関係を描いた恋愛ソング「Curious」とケラーニとのデュエット曲「What I Need」で、クイアの恋愛を明け透けに描く。この夏、キヨコはテイラー・スウィフトのレピュテーション・ツアーで、スウィフトと一緒に「Curious」を歌い、12月に2人で鳥肌モノの「Delicate」のアコースティック・バージョンを披露した。このポップ界の女神たちのスタジオでのコラボレーションを期待して待ち続けよう。

5位 シェール『Dancing Queen/ダンシング・クイーン』
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シェール以外にポップ界の超スーパーグループABBAの楽曲だけでアルバム1枚作ることのできるアーティストがいるだろうか? 映画『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』で、ヘリコプターを降りて歌う「Fernando/悲しきフェルナンド」で場面をさらった彼女だ。ABBAのカバー・アルバムを作るのは運命だったのだろう。「Dancing Queen/ダンシング・クイーン」では、今でも彼女のライバルとして君臨する巨大ポップ・フランチャイズABBAへ敬意を表している(因みに、今年はブロードウェイでもミュージカル『The Cher Show』がABBAのミュージカル『マンマ・ミーア』の直後に公開された)。70年代の離婚の悲哀を歌う「The Winner Takes It All/ザ・ウィナー」や「One of Us/ワン・オブ・アス」でシェールは輝きを放つ。次は『ボヘミアン・ラプソディ』の挿入歌でクイーンのトリビュート・アルバムを作って欲しいものだ。長年シェール版「伝説のチャンピオン」を待っているファンのためにも。

4位 ロビン『Honey(原題)』
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ロビンのどこがポップなのか? それはデビュー作『Body Talk(原題)』以来、ロードからカーリー・レイ・ジェプセンまで、無数のアーティストが世界を席巻したロビンのシンセポップの影響を大きく受けており、我々はこのスウェーデン人スターの音楽が常に身近にあることを意識せざるを得ないのだ。今年、彼女はこの上なくドラマチックに復活した。アメリカの人気ドラマ『Girls/ガールズ』のファイナル・シーズンで流れた「Honey(原題)」を公式にリリースしてほしいと、ファンが1年間懇願した結果の復活劇である。シングルとして「Honey」をリリースした彼女は、9曲収録のフル・アルバムまでリリースした。ポップらしいメロドラマ満載の魅力的な楽曲が、ダンスフロアを満たすゴージャスで催眠効果バツグンのシンセ・サウンドの海の上で漂っている。

Translated by Miki Nakayama

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