ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ポップ・アルバム」トップ20

ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ポップ・アルバム」トップ20

14 リタ・オラ『Phoenix/フェニックス』
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この作品の制作には10年近くかかった。リタ・オラは何年間もアルバム制作をひた隠しにして、遂に『Phoenix/フェニックス』というアメリカでのデビュー作をリリースしたのである。レコード契約の地獄に陥ったオラはシンガーとしてのキャリアが頓挫していた。しかし、彼女に対する人々の興味が消えることはなかった。彼女はシングルをリリースし、コラボレーションを行い、女優として演技し、モデルもつとめ、タブロイド紙の常連となったのだから。ありがたいことに、デビュー作の音楽は彼女のペルソナとマッチしている。『Phoenix/フェニックス』はオラのスモーキーなソウルポップの歌声を輝かせる完璧なプラットフォームで、そこでシングル曲「Your Song/ユア・ソング」と「Anywhere/エニウェア」で聞かれるアップビートでラジオ局向けのパワーポップを流暢に披露している。

13位 BTS『Love Yourself: Tear』
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今年のBTSはアメリカのチャートのトップに躍り出て、K-popの新たな市場を開拓した。大韓民国のボーイズグループであるBTSのアルバム『Love Yourself: Tear(英語タイトル)』はアメリカ国内で初登場1位を記録したのだが、これは彼らにとって最大のヒット・アルバムに留まらず、K−pop版「アペタイト・フォー・ディストラクション/Appetite for Distraction」(※ガンズ・アンド・ローゼスのデュー・アルバム)とでも言うべき強さを見せたのだ。BTSの特徴を一切損なわず(そして言語も変えず)、このアルバムでも全力で自分たちの音楽を見せつけている。そして、韓国のサウンドを受け入れるアメリカのファンは少ないと言っていた人々を見事に出し抜いた。熱々のR&Bバラッド「Singularity(原題)」から、耳を捉えて離さない奇妙なラテン風ヒップホップ曲「Airplane Pt.2(原題)」まで、BTSは異なるジャンルを縦横無尽に行き来する。

12位 トーヴェ・スティルケ『Sway』
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スウェーデンのポップ基準からしてもトーヴェ・スティルケの音楽はかなりスウェーデン色が濃い。10年前に若干16歳で「スウェディッシュ・アイドル」に出場したトーヴェ。彼女の3枚目のアルバム『Sway(原題)』は、ミニマルなシンセポップのスマッシュヒット「Say My Name(原題)」の波に乗ってリリースされた新たなスターのお披露目パーティーと言える。彼女の立ち位置はロビンの左側で、トーヴェのツアーメイトのロードとケイティー・ペリーの真ん中という感じか。『Sway』収録の「Mistakes(原題)」と「I Lied(原題)」では、プロデューサーのエロフ・ロエルヴが作った奇天烈なエレクトロ・ブループの上で、打ち砕かれた悲しみをかすれた歌声で歌い、最後はロードのカバー曲「ライアビリティ」で締めている。

11位 カイリー・ミノーグ『Golden/ゴールデン』
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カイリーがカントリーを歌うのか? もちろんだ。カントリー以外のスタイルはもうやったのだから。常に新たな音楽テリトリーを侵略する「Can’t Get You Out of My Head/熱く胸を焦がして」でお馴染みのレジェンドは、ラインストーンで飾られたカウガールのディスコとも呼べるアルバム『ゴールデン』でナッシュビルを征服した。これは、死と傷心に正面から立ち向かいながら、さっそうと50代に突入する彼女の自信が現れた意思表明とも言える。また、30歳になる時期にリリースしたカルト的人気を誇る『インポッシブル・プリンス』以来、最も私的な内容のアルバムだろう。バラッド曲「Music’s Too Sad Without You/ミュージックズ・トゥー・サッド・ウィズアウト・ユー」のミノーグは哀愁を帯びているが、バンジョーがフィーチャーされたディスコ曲「Raining Glitter/レイニング・グリッター」ではかつてないほど明るく弾けている。

Translated by Miki Nakayama

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