ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・メタル・アルバム」トップ20

ジューダス・プリースト、ドーターズ、スリープなどの最新作がランクイン。



6位 ヴェイン『エラーゾーン』

ニュー・メタルのリヴァイヴァルに反対の人はいるだろうか? ディスコード・レコードやイヤーエイク・レコードの出身バンドの遺産は2018年のハードコアバンドにも少なからず受け継がれている一方、90年代のオルタナティブ・メタルはその当時から不当な批判を受けてきた。しかしボストン出身の5人組ヴェインはそれに挑んでいるようだ。彼らのデビューLPはブレイクダウンにブレイクダウンを重ねるような、2003年にヘッドバンガーズ・ボールに出ていたようなバンドの重厚さだけでなく、デジタル・ハードコアの先駆者であるアタリ・ティーンエイジ・ライオットのテクノの反骨精神も受け継いでいる。ヴェインは両シーンのいいとこ取りをし、そのパーツからメタリックなつぎはぎモンスターを生み出すのだ。フロントマンのアンソニー・ディディオは最終曲「クイッティング・インフィニティ」で「俺は消せないものは否定しない/俺をリライトしてくれ」と歌う。それが“フランケンコア”的作品である『エラーゾーン』への詩的な結びなのである。



5位 デフヘヴン『オーディナリー・コラプト・ヒューマン・ラヴ』

2015年の中途半端な出来であったウルトラ・メタル的な『ニュー・バミューダ』の後、デフヘヴンは『オーディナリー・コラプト・ヒューマン・ラヴ』で彼らの魅力を取り戻した。『オーディナリー』には壮麗なポスト・パンクのバラードやブラック・メタルを模倣したような破壊的なギターリフに乗せた、胸が張り裂けそうな辛辣さを歌った7曲が収録されている。その重さと軽さの珍しい融合が、このLPを説得力のあるものにしている。1曲目の「ユー・ウィザウト・エンド」はビリー・ジョエルがプログレ・ロックしようとしているような感じである一方、2曲目の「ハニカム」はわずかに感じられる臆病な怒りに時折ビートルズから拝借したリフが乗せられている。それぞれの曲がハード・ロックの様々なサブジャンルが混ぜ合わせたものとなっており、ケリー・マッコイのギターラインにはヴォーカリストのジョージ・クラークの絶望感とは対照的な、ある種の喜びのようなものが感じられる。最も繊細なマキシマリズムなのだ。



4位 スカーズ・オン・ブロードウェイ『ディクテイター』

システム・オブ・ア・ダウンが音楽を作るのをやめてから10数年が経ったが、まだ新しいアルバムを作る予定はない。そんななか、ギター/ヴォーカルのダロン・マラキアンによるサイドプロジェクト、スカーズ・オン・ブロードウェイの『ディクテイター』は、システム・オブ・ア・ダウンのマニアックで落ち着くことを知らないパンク/メタル・ファンの心の穴を埋めた。
リード曲の「ライヴス」はダンサブルで集団虐殺の生存者に送るフックの効いた曲で、ダウンテンポの「トーキン・シット」 はマラキアンが得意とするグルーヴィでヘヴィな幻覚状態に陥ったような曲だ。ブロンディの「ハート・オブ・グラス」に対するメタル側からのアンサーのような、アルバムを締めくくるディスコ調の曲「アシミレイト」は、我々が忘れていたパンクを称え騒ぐような感覚を思い出させてくれる。


Translated by Takayuki Matsumoto

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