the LOW-ATUS、大木伸夫、フルカワユタカが「唄」で競演 『語り-gatari-』レポート

左から大木伸夫(ACIDMAN)、the LOW-ATUSのTOSHI-LOW&細美武士、フルカワユタカ(Photo by Azusa Takada)



本来の持ち時間は50分だったそうだが、結果、90分超え。途中で「ほんとはこのへんで終わりです」「90分に延長します、止められるまでやります」などと宣言しながら進行。で、歌ったのは全部で7曲。フォーク・クルセダーズ「イムジン河」、河島英五「酒と泪と男と女」、CCR「雨を見たかい(Have You Ever Seen the Rain)」、BRAHMAN「今夜」、ELLEGARDEN「Make A Wish」、ソウル・フラワー・ユニオン/ヒートウェーヴ「満月の夕」、アンコールでザ・ブルーハーツ「青空」。

「青空」にはフルカワユタカと大木伸夫も参加。フルカワ自身「昔はこんなふうにイヤな奴だった」という鉄板エピソードで細美にいじられた上に、曲後半のギターソロでは、終わろうとするたびに「もっと!」と延々と弾かされる。

そもそも、ふたりでステージに上がってから最初の1曲目を歌うまでに、約30分を要した。まず長々とMC、そして細美が観に来ていた仲間の某ミュージシャンを突然ステージに呼んで歌えと要求。しかもセッションとかではなくて、彼が腹を決めて歌い始めると、ふたりはステージを去る。彼の2曲にオーディエンス大喜びでした。なお、アンコールでも細美、観に来ていた某知人をステージに上げた。


Photo by Azusa Takada

まだまだあるけどこれくらいにしておきます。というわけで、TOSHI-LOWと細美武士、ふたりのあまりの自由さに、もう本当に終始爆笑に次ぐ爆笑のステージだったのだが、ただし──この日の選曲にも表れているが──その爆笑の合間合間に、細美の語りと楽曲で、今の世の中や今の政治、今の人の心の動きなどに対する、ふたりの思いを伝えていくライブでもあった。


Photo by Azusa Takada


Photo by Azusa Takada

たとえば、「雨を見たかい」を歌う前。彼らが以前から歌い続けているこの曲は、ベトナム戦争で米軍が用いたナパーム弾のことを歌ったものであること、それにTOSHI-LOWが日本語詞を付けて自分たちは歌っていることを、細美がていねいに説明する。今日ここで初めてthe LOW-ATUSを観る人たちにもしっかり伝えたい、という意志を感じる。

特に後半の「今夜」「Make A Wish」「満月の夕」のブロックは、本当に感動的なものがあった。「Make A Wish」では大きなシンガロングが巻き起こり、「満月の夕」では「♪イーヤーサーサー」と合いの手が飛ぶ。アンコールの「青空」も、(フルカワをいじり倒して笑いを取りながらだったのに)、29年前に真島昌利が書いた「生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の何がわかるというのだろう」のラインが、改めて切実に響くように感じた。


Photo by Azusa Takada

冒頭に書いたこのイベントの趣旨をもっとも体現していたのは、やはり、このふたりだったということだろう。

終演後、フルカワユタカに「お疲れ様でした。大変でしたね」と声をかけた。フルカワ、「いやいや、全然大丈夫ですよ。前からいつもああいう関係だから。俺がパッとそのモードに入ればすむことですから」と言ったあと、しばらく間を置いてから「……いや、でも、疲れてるな……」とひとこと。笑いました。改めて、お疲れ様でした。

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