死亡者も…同性愛者の間でトレンドになっている「パンピング」の危険性

2017年11月に死亡したピーター・ドヴァック



トランスジェンダー女性の間では、完璧なボディを作るためのシリコン注入はよく知られた手法で、シリコンは丸みを帯びた尻、厚い太もも、豊かな胸を作る材料なのだ。しかし、ここ5年間で「パンピング・パーティ」に関するニュースが数多く報じられているのも事実だ。これはトランスジェンダー女性が数人集まって、シリコン注入のための費用を貯めるグループのことで、彼女たちに手術を施すクリニックはどんどん地下に潜り、施術リスクが増している。

施術リスクとなる危険性の原因は注入されるシリコンにある。実際に、施術される患者は自分の身体に注入されるシリコンの中身を知らないことがほとんどだ。フロリダ在住の女性のケースでは、タイヤ用シーラント(シーリング剤)とセメントが顔面に注入されていた。

健康の専門家は、この合成剤は「シリコン」とすら呼べないと言う。

「ここにやってきた患者がシリコンだと言っても、彼らはそれが本物のシリコンだと思っているだけで、実際は何でもありだ」と、ニューヨーク市内にあるLGBTQに特化したヘルスセンターのキャレン=ロードで研究と教育を担当する専務理事アサ・ラディックスが言い、注入された“シリコン”の中身が急硬セメントやピーナッツバターという患者が実際にいたと教えてくれた。「自分の肉体を変えたい人は、そのために出来ることを何でも試すから」と。

最近では、トランスジェンダーに対する良質のケアが広がるにつれて、このトレンドが徐々に廃れ始めているようだ。ラディックスによると、少なくともニューヨーク在住の女性たちの間では減少傾向にあるらしい。しかしその一方で、肉体改造を求める男性たちのトレンドとして台頭してきている。

彼らのコミュニティはオンライン上で活発で、特にTumblrでは身体の大きさと巨根を理想とうたうブログが花盛りだ。しかし、このコミュニティを支えているのはそういう大男フェチや巨根フェチだけではない。LGBTQコミュニティが常に渇望している自分たちの肉体を肯定的に捉えることを、このコミュニティが実現しているとして広く知られているのである。

ストレート男性と比べると、ゲイ男性は自分の体重や外見に重きを置く傾向がことさら強い。さらに、ゲイ男性は摂食障害や身体醜形障害を患いやすく、結果として貧弱な自己像を抱くことになる。

Translated by Miki Nakayama

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