カート・コバーン、未公開インタビューで「白人はラップすべきじゃない」と発言

1991年に行われたインタヴューで白人のラップについて語ったカート・コバーン (Photo by Kevin Mazur/WireImage)

『ネヴァーマインド』リリース数日前の取材で、カート・コバーンは白人のラップについての持論を述べている。「白人のラップは白人のダンスと同じ」と語った1991年の未公開のインタビューを振り返る。

カート・コバーンがヒップホップに対する持論を述べ、白人はラップすべきではないと語っているのは、『ネヴァーマインド』リリースの4日前の1991年9月20日に行われたインタビューで、この内容はこれまで未公開だった。

このインタビュー音声は、当時カナダのオンタリオ州ロンドンに住む21歳の大学生で、通っていたカレッジのラジオ局CHRWでDJをしていたロバート・ロルッソが投稿したものだ。音声の説明で、ロルッソはインタビューのクオリティの低さをやたらと謝っており、「客観的に見てジャーナリズムとは絶対に呼べないレベル」と言い、「事前の調査が不十分で正確さにも欠けていたため、僕の質問の仕方はひどいものだった」と反省しきりだ。

そしてロルッソは「コバーン氏は非常に辛抱強く、準備不足の僕を優しく気遣ってくれた」とも記している。

それにもかかわらず、ロルッソが行ったインタビューで、コバーンは90年代初頭の検閲との争い、アート、ニルヴァーナがゲフィン・レコーズからサブ・ポップに移った理由などについて語っている。音源の7:39あたりで、コバーンが他のインタビューで語った発言、つまり「白人はラップすべきじゃない。長い間、白人は黒人を搾取してきたんだからもう十分だろう」について、ロルッソが質問している。

その発言をした当時、自分が泥酔していたかもしれないと言いつつ、コバーンは「俺はラップ・ミュージックのファンだけど、その多くが女性蔑視の内容で、俺には耐えられない。だから、大好きってわけじゃない。もちろん、最近シーンに出てきた中では数少ないオリジナルの音楽フォームという点で、とてもリスペクトしているし、気にも入っている。でも、白人のラップは白人のダンスと同じだ。つまり、俺ら白人は踊れないし、ラップもできないんだよ」と語っている。

そして、ロルッソが自分は珍しく踊りの才能に恵まれていると恐る恐る言うと、コバーンは「よかったじゃないか。お前、生まれた時に膝小僧を取り除いてもらったってことだぜ」と、冗談で返した。

Translated by Miki Nakayama

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