多彩な顔を持つ中川翔子が「歌」や「アニソン」を大切にする理由

―中川さんにはいろんなアウトプットやインプットがありますが、どれも均等の熱量をキープされているのが、いつもすごいなと思います。

中川:そんなことないです。やっぱりその時代だったり年齢だったりタイミングで、いろんなことがあると思うんですよね。例えば舞台稽古中は何も芽が出ないのかなとか、歌から離れているんじゃないかとドキドキしたんですけど、舞台で教わる技術だったり表現だったり、他の人として歌う面白さだったり、海外でのライブ経験も意味があったと思えたし。誰かの心の絆創膏になるような言葉が言えるんだとしたら、無駄じゃなかったのかな。その期間にひたすら自分の傷を埋めるために吸収していた、アニメソングとか音楽とか歌とか絵がトータル的に今の仕事につながっているから。さらに今好きなことの道路拡張工事というか、このタイミングだから挑戦していることもまだまだあるし。今はこの「blue moon」のおかげで、リリース・イベントもそうですけど音楽番組で歌う緊張感だったり、インタビューしていただいて自分のパーソナルなことをあらためて振り返るとか、“わぁ、これがCDリリースって感じだ”って久々感もすごくうれしいです。

―いろんなところから刺激を受けて日々を過ごしていると思うんですけど、そんな中川さんにとって音楽はどういう存在ですか。

中川:今、ちょうどディナーショーの内容を会議をしていて、いつもすごく悩むんです。ディナーショーって特別で、私の幼少期の原体験って、アニソンに出会うよりも前の童謡を聴いているような歳に、祖母がシャンソンバーとかディナーショーによく連れて行ってくれて、「愛の讃歌」「百万本のバラ」などのシャンソンをずっと聴いてたんです。ディナーショーは皆がオシャレをして、年に1回のご褒美として味わう特別な夜なんだっていう思いが原体験にあるので、30代になってからやらせていただけるようになったのがすごくうれしくてプレシャスで。コンサートのときに、いつも応援してくれている皆が、タキシードやドレスを着て来てくれるのがすごくうれしいから、今年は生演奏ならではの、今まで歌ってきた楽曲が生まれ変わるようなことができたらなと考えています。歌って魔法みたいで、生まれたときから永遠に残る。自分が死んでも残るし、見えないけど確かにあって、歌う人が成長していけばまた全然違った歌になっていく。その歌がいろんな人たちの思い出に寄り添ってくれていたらすごく素敵だし、今の自分と今までの人生を表現できるものである気がします。

Interviewed by Takuro Ueno


「blue moon」
中川翔子
Sony Music Records
11月28日発売

中川翔子
女優・タレント・歌手・声優・イラストレーターなど、多方面で活躍。東京2020大会マスコット審査員や、2025年万博誘致スペシャルサポーターとしても活動。音楽活動では、11月28日リリースのニューシングル「blue moon」は、作詞にも携わり大切な人との絆を描いており、MBS/TBS系列のアニメ「ゾイドワイルド」のエンディングテーマとして放送中。また12月20日に4年連続の「クリスマスディナーショー 2018 ~Parisdaisy さまざまな愛~」をザ・プリンスパークタワー東京にて開催予定。さらに、現在公開中のマーベル映画『ヴェノム』の日本語吹替版で、主役の彼女で重要な役であるアン・ウェイングを演じる。
https://www.shokotan.jp/

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