ローリング・ストーンズとビル・ワイマン再結成エピソードを回想

2012年、ツアーに参加したビル・ワイマン(右)とキース・リチャーズ(左)(Photo by Brian Rasic/Getty Images)

ステージで大事な役どころを任されるものだと思っていた、ストーンズの元ベーシストだったビル・ワイマン。だが一晩で演奏させてもらえたのはたったの2曲だった。

ザ・ローリング・ストーンズは月曜日、2019年『ノー・フィルター』全米ツアーの日程を発表した。発表前から何か月も噂になっており、ストーンズ自身もおなじみベロマークを全米中のスタジアムに張り出すなどして、人々の憶測を煽っていた。今回のツアーは今までのような長丁場ではなく、13か所を回るのみ。道中ドラマーの78歳の誕生日が控えているので、張り切りすぎないほうがいいだろう。

2012年、5年間の沈黙を経て再結成を果たして以来、ストーンズは毎年必ずツアーを行っている。彼らの復活は2012年10月、ものは試しにという形で行われた。肩慣らしにフランスで2公演、その後ロンドンのO2アリーナで2公演。さらにブルックリンとニューアークでそれぞれ1回ずつコンサートを行った。バンド結成50周年でもあったことから、元ギタリストのミック・テイラーと、元ベーシストのビル・ワイマンをゲストに迎えることにした。珍しく感傷的になったのか、あるいは途方もないチケット料金を正当化しようとしたのか、いずれにしてもストーンズのファンにとっては一大事件だった。テイラーとは1981年カンザスシティーのコンサートで一度共演していたが、ビル・ワイマンとの共演は1990年以来初めてだったからだ。

ワイマンは当初、かつてのバンド仲間と一緒に演奏できることを楽しみにしていた。だが、リハーサルに来てみると、意外な現実が待っていた。「俺は本格的に関われるもんだとばっかり思っていた」と、彼は2013年にハフィントンポストとのインタビューでこう答えた。「だけどふたを開けてみると、奴らは俺に2曲しかやらせるつもりはなかったんだ。ひどくガッカリしたよ」 ワイマンは2012年11月25日、ロンドンのO2アリーナのステージにあがり、「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」と「ホンキー・トンク・ウィメン」を演奏。4日後にも、同じ場所で同じ2曲を演奏した。その時の映像がこちら。

「奴らはそれ以上やらせてくれなかった」と、2013年BBCのインタビューでワイマンはこう言った。「多分、俺が脱退したことに対する仕返しだったんだと思う。俺はもっと演奏するつもりでいたんだが、奴らは『2曲演奏してくれればいいんだ』って言ってきた。どの曲を演奏するかは最後の最後まで教えてくれなかった。俺が『サウンドチェックとかやってないぜ』って言うと、奴らは『大丈夫、お前なら大丈夫』って言う始末さ」

ミック・テイラーが演奏させてもらえたのは、「ミッドナイト・ランブラー」の1曲だけ。それでも彼は、バンドと一緒にアメリカにわたり、ニューヨーク公演とニュージャージー公演をやりたがっていた。ウィルマンはそこまでお人よしではなかった。「たぶん2週間ぐらいの旅になっただろうな」と、2013年BBCのインタビューで語るワイマン。「俺は『たった2曲? ごめんだぜ』って言ってやった。久々に会ってもう一度やり直すってのはすごく難しいよ。同窓会もそうだし、昔の彼女ともそう。絶対上手くいいかない。あのときうまく行ったのも、ほんのつかの間。そりゃ楽しかったよ、だけどはかない夢だった」

Translated by Akiko Kato

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