レオナルド・ディカプリオが出演する映画ベスト27

レオナルド・ディカプリオのキャリアで印象的な27作品を紹介(Illustration by Ryan Casey)



6:『アビエイター』(2004年)



ビジネスマン兼発明家として巨額の富を築いたハワード・ヒューズの半生が贅を尽くして描かれた、スコセッシ監督の『アビエイター』で、ディカプリオはまだフレッシュな魅力を保つ一方、狂気に近い執着心を表現しなければいけなかった。本作で描かれているのは、壮大な空中戦を描いた映画『地獄の天使』の監督を務めながらもキャサリン・ヘップバーンと浮名を流し、「スプルース・グース」こと航空機ヒューズ H-4 ハーキュリーズの実現に取り組み、敵対心を抱く政治家と対決していた頃のヒューズだ。スコセッシ監督はヒューズの野心、強迫観念、さらには自らを不適格とする性格との間に類似性を見出している。さらに、ディカプリオの演技は彼が限りなく多彩であることを教えてくれる。

5:『ギャング・オブ・ニューヨーク』(2002年)



スコセッシ監督とディカプリオの初期のコラボレーションに対し、世界中の憧れの的であるイケメンのレオ様がクライム映画の王様と時代物 と多くの人々は混乱した。しかし、実際のディカプリオはアイルランド系アメリカ人のアムステルダム・ヴァロンとしてなかなかの演技力を発揮した。この役でディカプリオは、先住ギャングのリーダーであるビル・ザ・ブッチャー(この役を演じたダニエル=デイ・ルイスの演技はキャリアの最高傑作とも呼べるだろう)に殺された父親(リアム・ニーソン)の復讐を誓っている。乱暴者と言うよりは混乱したアムステルダムの使命は自らがギャングのリーダーとしてのし上がること。切れ味の鋭い極悪人デイ=ルイスとは対照的な、悩める世間知らずというディカプリオのアプローチも見事に功を呈している。

4:『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)



スティーブン・スピルバーグ監督のヒット作でディカプリオは実在の詐欺師フランク・アバグネイルを演じた。アバグネイルはパイロット、弁護士、医師などになりすまし、アメリカを旅しながら豪奢な生活を送った人物だ。フレッシュなロマンチック俳優から、真剣な役を演じられる俳優に変身しようとしていたディカプリオを巧みに捉えたキャスティングだった。子どもから大人へと成長を遂げたディカプリオの表情が印象的だ。

3:『ディパーテッド』(2003年)



スコセッシ監督は、米ボストンを舞台としたクライム・スリラー『ディパーテッド』で念願のアカデミー賞を受賞した。香港スリラー映画の傑作『インファナル・アフェア』(2002年)のリメイクである本作では、ディカプリオがマフィアに潜入する警官、マット・デイモンが警察に潜入するマフィアを演じた。緻密ないたちごっこを描いたスリリングな物語だけでなく、脚本家ウィリアム・モナハンが神話的とも表現できるような悲劇の要素を加えている。薄汚れた絶望の淵にいる男を演じたディカプリオもまた素晴らしい。ディカプリオのベスト・パフォーマンスの一つであることに間違いない。

2:『インセプション』(2010年)



クリストファー・ノーラン監督によるSF映画でディカプリオは人々の夢に忍び込み、その思考を盗み出した。しかし、最後の任務でディカプリオ率いるチームはいつものように脳内の情報を盗むのではなく、ある人物の脳内に思考を植え付けるという仕事を任される。これほどまでに複雑で風変わりな映画がなぜこれほどの大ヒットになり得たのだろうか? そこにはノーラン監督の巧妙なセリフや一連のアクション・シーンはもちろん、運命をかけて戦う強盗を演じたディカプリオの優れた演技があることも忘れてはいけない。典型的な悩めるタイプの主人公役に人間らしさを与えてくれた。

1:『タイタニック』(1997年)



1997年に公開され、記録的な興行収入を打ち立て、アカデミー賞を受賞し、ポップカルチャーにおいて絶対的な影響力を持つことになったジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』は当時、もっとも高額な製作費をかけた作品でもあった――長引く製作期間や、もう陽の目を見ることなんてないのでは、とさえ危惧されたプロダクションについては触れないでおこう。ようやく公開された『タイタニック』は人々を魅了した。本作はデヴィッド・リーン監督が『アラビアのロレンス』で砂漠を限りなく甘美な存在へと昇華させたのと同じことを海で成し遂げたのだ。おまけに、悲劇としての要素を備えつつも(最新鋭の技術を使って歴史的な海難事故を描きつつも)、パニック映画としてのエンターテイメント性も持ち合わせている。

そして忘れてはいけないのが、レオとケイトのラブストーリーだ。苛立ちを隠せない上流階級の令嬢に恋をする冒険好きな放浪者という筋書きは、まさに陳腐としか言いようがない。それなのに、若き日のスターたちが誠実な想いを交わす姿を観る人は誰だってそのピュアな恋に引き込まれるだろう。『タイタニック』はいまだにディカプリオのキャリアの頂点であると同時に、この20年間ハリウッドが生み出すことができた伝統的スタイルの映画のなかでももっとも偉大な作品なのだ。

Translated by Shoko Natori

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