レオナルド・ディカプリオが出演する映画ベスト27

17:『クイック&デッド』(1995年)



シャロン・ストーン扮する拳銃の名手の主人公と、傲慢な若いカウボーイのディカプリオと謎のならず者ラッセル・クロウが、ジーン・ハックマン扮する極悪指導者を相手にサディスティックな射撃トーナメントを繰り広げる。サム・ライミ監督の徹底的に様式化された新しいマカロニ・ウエスタン。衰退する西部劇を蘇らせようとした見事な試みではあったが、結果はもちろん失敗に終わった。ライミの作品には不思議な不毛さがある。それでも観客の同情を誘う若いカウボーイを演じたディカプリオは結構よかった。

16:『華麗なるギャツビー』(2013年)



『ロミオ&ジュリエット』のバズ・ラーマン監督とディカプリオが再びタッグを組み、これまで映画化が不可能とされてきたF・スコット・フィッツジェラルド原作の『華麗なるギャツビー』に挑んだ。結果は、当初のうわさほどひどいものではなかった。ラーマン監督は完璧にギャツビー像を「とらえて」はいない。それでも、ディカプリオは魅力をいかんなく発揮し、ギャツビーの異常なまでの妄想癖なんてどうでもよくなってしまうほど、観客の共感を誘う。ほんの一瞬ではあったが、ディカプリオが本物の笑顔を見せてくれたのは、本当に久しぶりだ。ロマンチストのレオが戻ってきてくれたのはうれしい限りだ。

15:『セレブリティ』(1998年)



フェリーニ監督の『甘い生活』へのオマージュであるウディ・アレン監督の『セレブリティ』では、自信を喪失した敏腕雑誌記者に扮したケネス・ブラナーが最高のウディ・アレンのモノマネを披露した。風刺たっぷりのブラナーの演技はさておき、現代のセレブリティ・カルチャーを浮き彫りにした本作はなかなかおもしろい。本作が嫌いな人も、生意気な有力俳優を演じるディカプリオがこの作品で一番輝いていることには納得するだろう。本作の感想は各自に任せるとしよう。

14:『ギルバート・グレイプ』(1993年)



鋭い視点とともに穏やかに語られる成長物語『ギルバート・グレイプ』でディカプリオはジョニー・デップ演じる田舎町の若者の知的障害を抱える弟アーニーを演じた。ピーター・ヘッジズの小説にもとづいた本作は、クセのある要素を織り交ぜた型にはまらない作品で、簡単に飲み込むことは難しい。そんななか、ラッセ・ハルストレムが登場人物に抱く愛情は作品を通して輝いている。最大の財産とも言える、初のアカデミー賞にノミネートされたディカプリオが場合によってはオーバーにも冷笑的にもなり得る役を優れた繊細さと深みで演じている。

13:『ロミオ&ジュリエット』(1996年)



シェイクスピア版で大人になった世代は、ディカプリオとクレア・デインズが、芝居がかったギャング同士の抗争シーン満載のバズ・ラーマン監督による古典の現代版で不幸な星を背負った恋人たちを演じるなんて想像しなかっただろう。オーストラリア出身の映画監督のやり過ぎ具合は時として笑いを誘うが、主演俳優同士の相性は実にすばらしい。本作でデインズが初期作品の中でも傑出した演技を披露する一方、ディカプリオも見事で、ルックスも文句なしだ。本作の成功は数年後の『タイタニック』によって訪れる新時代の象徴的作品の一つとなったことは間違いない。

Translated by Shoko Natori

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