BTS映画、音楽ドキュメンタリー映画として全米史上1位を記録

公開と同時にBTSの『Burn the Stage: The Movie』が全米興行収入10位にランクイン(Photo by Shiutterstock)

BTSの『Burn the Stage: The Movie』が公開と同時に全米興行収入10位にランクインを果たし、イベント映画の世界記録を更新した

ボーイズ・グループBTS(防弾少年団)が今年達成した数え切れないほどの偉業に、新たな栄誉が加わった。デビューアルバムが全米1位を獲得し、アメリカのスタジアムでライブを行った初のK-Popグループという栄誉に授かったBTSを描いたドキュメンタリー映画は、先週末の全米公開とともにアメリカでもっとも高い興行収入を記録した音楽制作を描いたイベント映画になりつつある。

2017年に19都市をめぐったWINGSツアーの舞台裏を記録したドキュメンタリー映画『Burn the Stage: The Movie』は15日木曜日の公開初日に140万人を動員した、と配給元のTrafalgar Releasingが発表した。今回の動員数は、2014年に公開されたワン・ダイレクションのドキュメンタリー映画『One Direction: Where We Are』の120万人という動員数を超え、これまでの世界規模のイベント映画というジャンル(スポーツ試合、バレエ、オペラをはじめとするライブおよび録画イベントの映画スクリーンでの上映を指す)においてもっとも高い興行収入を記録した。

今回のドキュメンタリー映画は、同じ週末に公開された『グリーン・ブック』や『At Eternity’s Gate(原題)』などのアメリカのメジャー作品を差し置いて、全米ボックスオフィスで初登場10位にランクインした。現時点では360万ドルもの興行収入を集め、アメリカ史上最高収益のイベント映画になっている。さらには、英国チャートでも6位を獲得し、83万ドルを集めている。

最大のヒット曲にさえ数える程の英単語しかなく、7人のメンバーのなかでもフロントマンのRMしか英語でのインタビューを好まない韓国の音楽グループのドキュメンタリーとしては異例の記録である。しかし、それは決して常軌を逸したものではない。昨年、K-Popに対するアメリカのオーディエンスの興味はかつてないほど高まった。その理由として、アメリカの音楽業界幹部やファンたちは、K-Popというジャンルの緻密なパフォーマンススタイルと全体を流れる楽観的なエネルギーを挙げる。とりわけ、BTSは2015年のワン・ダイレクションの活動休止によって欧米のミュージックシーンから消えてしまった、ポップなボーイズバンドというイメージとSNSへの勢力的な取り組みによってアメリカのリスナーを魅了してきた。

さらに、BTSの躍進はアメリカ人の音楽の好みがグローバルになっていることが現れている。2017年に大ヒットしたルイス・フォンシとダディー・ヤンキーの「デスパシート」はスペイン語の歌詞だ。BTSが韓国語で歌う「FAKE LOVE」は今年もっともヒットした曲になりつつあるだけでなく、同じK-PopグループのBlackpinkはアメリカのポップマーケットを視野に入れ、インタースコープ・レコードとユニバーサル ミュージックと契約を交わしたばかりだ。英語が中心の音楽産業において、こうした流れはほんの一部に過ぎない。



『Burn the Stage : the Movie』
2018年11月15日(木)より3週間限定公開中
監督:パク・ジュンス
プロデューサー:ユン・ジウォン
出演:BTS(RM、SUGA、JIN、J-HOPE、JIMIN、V、JUNG KOOK)
制作:Big Hit Entertainment / CAMP Entertainment
日本配給:東宝映像事業部
©2018 BIG HIT ENTERTAINMENT Co.Ltd., ALL RIGHTS RESERVED.

Translated by Shoko Natori

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