故スタン・リーの生み出した必読コミック15選

スパイダーマンの生みの親、スタン・リー。2004年6月18日、カリフォルニア州ビバリーヒルズのオフィスにて。(Photo by Vince Bucci/Getty Images)



11:デアデビル 第1号(1964年4月)



「デアデビルがなぜ他のクライムファイターと一線を画すのかわかるか?」と、“恐れ知らずの男(Man Without Fear)”のデビュー作の表紙で問いかけている。その答えのひとつを挙げれば、主人公は盲目で、ショーン・ハウの著作『Marvel Comics: The Untold Story』によると、リーがサブマリナーの作者であるビル・エヴェレットに“デアデビル”という名前をベースにしたヒーローのアイデアを依頼したことから生まれたキャラクターだという。“デアデビル”は他のコミックス会社が商標権を失っていたが、リーはエヴェレットに急いでアイデアを固めるように頼んだ。結果、悪魔の角を生やした黄色と赤色のスーパーヒーローが誕生した。彼は少年時代に視力を失ったものの他の感覚が研ぎ澄まされ、1作品で1人の悪役を倒しながらヘルズ・キッチン地区を掃除していく。ローワー・ウエスト・サイドにある違法カードゲーム場での乱闘騒ぎから始まるリーの描いたストーリーは、マーベル・ユニバースにおける道徳的な矛盾を抱える都会のスーパーヒーローたちの仲間入りをするベースとなった。

12:アメイジング・スパイダーマン 第14号(1964年7月)



全てのアメイジング・ヒーローには、それぞれ強力な悪役が必要だ。リーは、フレンドリーな隣人キャラクターのスパイダーマンにも、代表的な悪役を用意した。スティーヴ・ディッコによると、リーは元々このキャラクターを、神話的な悪魔にするつもりだったという。それが結局、特殊なスーツを着た青年というコンセプトに変更された。スパイダーマンを苦しめてきた恐ろしい顔の男の正体が明らかでなかったため、リーは、主人公のパーカーが個人的に知っている誰か、という設定にした(ライターとアーティストはお互いに影響し合っていたため、誰がどのストーリーを作ったかという話には議論の余地がある)。

13:ストレンジ・テイルズ 第135号(1965年8月)



1965年、大スクリーンではジェームズ・ボンドが悪人や悪いスパイたちと戦い、テレビでは『0011ナポレオン・ソロ』が人気を博していた。そこでリーは、マーベル独自のスパイ組織を考えねば、と思い始めていた。リーの頭の中には、カービーと共同で数年前に手がけた第2次世界大戦をモチーフにしたコミック『Sgt. Nick Fury and his Howling Commandos』に登場させたあるキャラクターが浮かんでいた。「フューリーを蘇らせてみようと、冗談半分で考えた」とリーは、2005年のインタビューで語っている。「しかし初登場から数年経っていたので、彼を軍曹から大佐へと昇進させ、軍の秘密組織の長にしようと考えた」 そうして葉巻をくわえたフューリーは『ストレンジ・テイルズ』の中で、S.H.I.E.L.D.(Supreme Headquarters, International Espionage and Law-Enforcement Division)のエージェントとなった。スパイや特殊機器の登場するストーリーのブームが去ってもなお、彼は人気キャラクターであり続けるだろう。

14:ファンタスティック・フォー 第52号(1966年7月)



ファンタスティック・フォー第52号の表紙を飾った、頭からつま先まで黒ずくめのミステリアスな風貌をしたゲスト・スターに興味を惹かれ、小遣いをはたいてコミックを手にした子どもたちは、自分が歴史の一部を手に入れたことに気づいていないだろう。ファンタスティック・フォーがアフリカにある架空の国ワカンダを訪れて部族長に贈り物の御礼をした際、彼らはブラックパンサーと遭遇し、戦いが起きた。ストーリーの結末の直前、ブラックパンサーがマスクを脱ぐ。ここで彼は、コミックのページを飾る初の黒人スーパーヒーローとなった。2011年のインタビューでリーは、ブラックパンサーはとあるジャングル冒険のストーリーにインスパイアされた、と答えている。しかし彼とカービーはこのアフリカ人キャラクターに威厳を与え、レトロなターザン・スタイルを遥かに凌ぐ画期的なテクノロジーを導入した。作品はこの年の大ヒット作となり、時代を超えたヒーローが誕生した。

15:ザ・シルバーサーファー 第1号(1968年8月)



残念ながら、リーがこの輝く宇宙からの使者を生み出した訳ではない。アーティストのジャック・カービーが、彼のデビュー作となった『ファンタスティック・フォー』第48号で登場させたキャラクターだ。しかし1968年にサーフィンボードに乗ったシルバーサーファーを主人公に据え、惑星を食うギャラクタスと戦うシリーズが始まったとき、リーはシルバーサーファーを、どこか物悲しいキリストのようなイメージで描いた。こうしてシルバーサーファーは脇役から、熱狂的なファンも現れるキャラクターへと変化したのだ。シルバーサーファーが環境問題や人間同士の残虐行為を憂える姿は、社会問題への取り組みの走りだとする解釈もあると同時に、この時代のリーによる最もディープで最も内省的な作品だとする声もある。

Translated by Smokva Tokyo

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