リンゴ・スターが語る『ホワイト・アルバム』のリマスタリング「俺たちはプレイするのが大好きな4人の若造だった」

ホワイト・アルバムのリマスター作業を語ってくれたリンゴ・スター(Photo by Shutterstock)


―かつての写真を見て、昔を振り返るのは幸せなことですか?

うん、幸せだ。楽しいもの。俺たちはプレイするのが大好きな4人の若造だった。4人でいい音楽も作った。それが今でも続いているのさ、新しいホワイト・アルバムでね。これは現実のものとは思えないほどだが、とても気に入っている。だってリマスタリンスされたおかげで、ドラム・サウンドが本当によく聞こえるから。

―新しいミックスであなたの音がラウドでクリアなせいで、みんな、あなたのプレイに新しい要素を発見していますよ。

ジャイルズにボーナスあげなきゃな(笑)。

―「ロング・ロング・ロング/Long, Long, Long」のあなたのドラミングにはびっくりです。

俺のお気に入りは「ヤー・ブルース/Yer Blues」だ。あれはEMIの巨大なスタジオじゃなくて、3メートル四方の小さなブースで録ったから。あのときの俺たちはバンドに戻った感じだった。クラブでプレイする無名のバンドにね。

でも「ロング・ロング・ロング」は、オリヴィア(・ハリソン、ジョージの妻)にもこれを話したんだけど、以前の「ロング・ロング・ロング」はアルバムに収録された地味な1曲にすぎなかった。でも今回のリマスターでセンセーショナルなサウンドになっているのさ。本当に美しいし、とても感動する。俺たちがあの曲を作った当時にこんなサウンドは作れなかったと思うよ。

―この曲では、あなたとジョージしかいなくて、お互いに楽器で会話している感じです。

ああ、それがあのときに俺がプレイしたものだよ。わかるだろう? 俺はシンガーに合わせてプレイするし、いつもそうやってドラムを演奏してきた。もしジョージが歌うなら、彼と一緒に演奏するだけ。でも、そこで俺の感情が動かされたら、それが演奏に反映される。歌が入っていない部分にそれが顕著だ。あの曲は本当に美しく立ち上がってくれたよ。俺たち全員がジャイルズに感謝しないとな。新しいバージョンには本当にたくさんの情報が詰まっている。人によっては「もう、どうしてアルバムとして普通にリリースしないんだ?」って思うかもしれないけど、これが新しいリリースの仕方なのさ。

―「ヤー・ブルース」がお気に入りと言いましたが、この曲でのあなたのドラミングは完全にモンスター級です。

俺はモンスターだよ。でも俺たち全員がモンスターさ。だって境界が一切ないから。聞いて分かる通り、ジョンの歌声が再びラウドになっているし、俺のマイクかアンプマイクが拾った古い声も聞こえてくる。そんなふうにすべてが繋がっているのさ。

―あなたが提供するビートがシンガーを刺激しまくっている印象を受けました。

ああ、シンガーは俺のプレイスタイルが大好きだね。俺は連中の声をかき消すことはないから。

―「ドント・レット・ミー・ダウン/Don’t Let Me Down」をレコーディング中にジョンが最高の言葉を残しましたよね。あなたのドラムのイントロでジョンが「叫ぶ気力を引き出す勇気をくれ」と言っていました。あなたが私たちにしてくれているのが、まさしくこれで、私たちはあなたに勇気をもらっています。

それができていると嬉しいね。でも、俺がいなくなったら、君は自分の力で叫ばないとダメだよ。

Translated by Miki Nakayama

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