チャンス・ザ・ラッパー、シカゴを舞台にしたミュージカル映画を製作

2018年10月31日、故マック・ミラーの追悼コンサートに出演したチャンス・ザ・ラッパー。(Photo by Scott Dudelson/Getty Image)

ずらりと並ぶチャンス・ザ・ラッパーのサイドプロジェクトの中に、新たにミュージカル映画が加わることになった。

MGM製作の映画で、タイトルは『Hope』。スタジオ側によれば、ラッパー本人のキャリアと共鳴するストーリーで、「芸術表現から(コミュニティ)活動を始める」10代の若者たちを描く。スターダムに上がって以来、彼自身も音楽から政治や社会活動に関心を寄せている。最近では、シカゴ市長選への立候補をほのめかし、最終的にはアマラ・エンヤ候補支持を表明した。「自画自賛かもしれないけど、もし俺が応援すれば、チャンスが訪れる」

チャンスの長年の共同制作者ニコ・シーガル――以前はDonnie Trumpet名義で活動していた――が、映画の音楽を担当する予定。シーガルはデビューから現在までチャンスのキャリアを支えてきた他、The Social Experimentの2015年のアルバム『Surf』をプロデュース。このアルバムでは、チャンスもかげながら全編にわたって協力している。映画の脚本を手掛けるのは、TVドラマ『エンパイア』や『LEFTOVERS/残された世界』の脚本家カルリト・ロドリゲス。

チャンスの立ち位置が映画出演にまで及ぶのかどうかは未定。確認のためMGMに問い合わせ、彼が関与するのは製作に限定されるのか尋ねてみたが、返答は得られなかった。彼自身は今年すでに映画出演を果たしている。盟友オースティン・ヴェズリーが監督を務めたA24配給の超常現象ホラーコメディ映画『Slice(原題)』に、狼男役として出演。だが、このときの撮影体験は、この先も映画に出演したい気にはさせなかったようだ。

「映画の撮影はあんまり好きじゃないな。撮影セットにいるのも、トレーラーにいるのも好きじゃない」と、映画『Slice』試写会の質疑応答でのコメントを、情報サイトIndiewireが伝えている。「曲を書いた後、音楽を作り上げるやり方とは全然違うんだよな」

「もしまた映画をやることになるとしたら、たぶんずっとずっと先になるだろう」と本人がコメントしたのは6月。『Hope』の公開時期はまだ公表されていないが、ずっとずっと先ではなさそうだ。本人は先の質疑応答で、いつか監督業に挑戦してみたいと漏らしていた。「たぶん、俺が心から楽しめるのは、クリエイティヴな作業だろうね」と本人。「オースティンが映画の方向性を形にしていくやり方は好きだったな。いつか、そっち側の仕事をやってみたい。だけど、トレーラーでじっとするのだけは勘弁だ」

Translated by Akiko Kato

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