完全1人ツアーに臨むKREVAが語る、揺らぎの最適解「MPC3000」

ー機材といえば以前「アフター6ジャンクション」に出演した際、MPC3000愛を熱く語ってらっしゃいましたよね。後にブログで「じゃあ、今なぜMPC3000なのか?」という話は時間が足りずにできなかったと書いていたので、ぜひここで聞きたいです。

はい(笑)。ハッキリ言って今は機械でなんでもできる。そうなってくると人間はコンピュータの中から1個2個音を出してあげたくなるみたいで。曲って、この音を小さくして奥行きを出すとか、歪ませたりとか、いろんなことで勝負してるじゃないですか。それがコンピュータの中でいっくらでも調整できるから、永遠なんですよ。沼どころの話じゃなくて、宇宙、ブラックホール。でも外に出してあげると、もう調整できないしその時のモノだから自分の中で諦めがつくんですよね。それがすごく大事だと思ってます。プラス、温かみっていうか汚れと言ってもいいものが加わるんですね。特に最近のヒップホップは1小節か2小節のループだけで成り立ってるのもあるから、コンピュータでバララララッとコピペすればそれで正解なんですよ。そんな中、MPC3000でまったく同じことをやると、ズレてはないんだけど揺らぎが加わるんですね。だから最近の音楽にひとクセ入れるんだったらMPC3000が最適だと思うんです。完全に一糸乱れぬコンピュータロックと比べて、一生懸命機械についていこうと動く何かが1個あることで、ズレてはないけど揺らぎが出てきて、聴いてる気持ちよさにつながるんじゃないかと。

ーなるほど、その揺らぎがグルーヴとなったり。

揺れじゃなくてね。俺が求めてるのは揺らぎくらいでいいのかな。揺れだったら生でやればいいと思う。機械の音楽でそういう独自な感じを出したいんだとしたら、サウンドも特徴的なものを持ってて、ノリも微妙な揺らぎがあるMPC3000が最強なんじゃないかな。

ー先ほど機材の動画を見るのが好きとおっしゃっていましたが、サウンドの面で今気になってる同業者はいますか?

んー、Mura Masaとか、もう人気出ちゃったからなあ。日本人だとあんまりいないですね。

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