追悼スタン・リー:2014年インタビュー再録「アイデアがひらめいたら、少し時間を置くようにしている」

2013年7月19日、米カリフォルニア州サンディエゴで撮影されたスタン・リー(Photo by Michael Buckner/Getty Images for Samsung)

米現地時間11月12日(月)マーベル・コミックの創設者のスタン・リー氏が95歳で逝去した。『X-MEN』の創作背景について話してもらうべく敢行した、2014年当時のローリングストーン誌による貴重なインタビューの完全版を掲載する。「一番好きな悪役はマグニートーなんだ。X-MENが善良なミュータントだというアイディアも気に入っていた」と、リー氏は語った。

2014年4月、ローリングストーン誌は『X-MEN』の創作背景について話してもらうため、スタン・リーのもとを訪れた。当時のインタビューからは、91歳にも関わらず、作品に対して機知に富んだ鋭い洞察力を持っていた様子がうかがえる(『X-MEN』の共同創作者であるアーティストの故ジャック・カービーは、『X-MEN』のキャラクターはリーではなく、自らの発案だと主張していた。後悔先に立たずと言うように、この件についてリーにもっと詳しく訊いておけばよかった)。今回はリーとのインタビューの完全版をお届けする。

ーおはようございます、スタン。調子はどうですか?

スタン・リー:それはあなたが私をどう扱うか次第だな。

ーもちろん、手加減なんてしません。約束します。

そう来なくっちゃ。

ーまずは、『X-MEN』の誕生に関するインタビューをいくつか拝読しました。そこで強調すべき点は、『X-MEN』と『アベンジャーズ』の第1号がどちらも同じ月に発行されたという事実です。これは本当にすごいことですね。

それはまったくの初耳だ。信じられない偶然だね(笑)

ーあなたにとってすばらしい1ヶ月だったことでしょう。

むしろ、マーベルにとってすばらしい1ヶ月だったね。

ー当時は、ものすごいスピードでいくつものアイディアが生まれていたと思います。机に向かって初めてX-MENに取りかかった時の最初のひらめきのようなものについて覚えていますか?

そうだね、『ファンタスティック・フォー』の売れ行きが非常に好調だったという背景はある。出版社と私とで、新しいヒーローのチームを作ったらどうだろう? という案が持ち上がったんだ。ただ、新しいヒーローにどんな力を授けよう? という問題に直面した。と言うのも、ファンタスティック・フォーには空を飛んだり、炎を操ったりすることができるヒーローがいるし、エネルギーのシールドで透明になれるヒロインもいる。さらにはゴムのように伸び縮みできるヒーローもいれば、世界一の怪力の持ち主だっている。難しい問題だったよ。

こうしてファンタスティック・フォーのヒーローたちの力を分析すると、どういう経緯で超能力を手に入れたんだろう? という疑問が生じた。それぞれは独立したキャラクターで、共通点なんてない。これはかなり大変な仕事になると思ったよ。そこで私は臆病者らしい解決策に逃げ込んだ。世界一簡単な方法さ。彼らの力は、生まれ持った能力ということにしたんだ。だって彼らはミュータントなんだ。ミュータントという設定は、ヒーローの起源として新しいと思ったよ。

そしてこのアイディアを出版社に持ち込んだ……

Translated by Shoko Natori

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