オスカー女優ティルダ・スウィントン、自身が選んだ代表作を振り返る

ティルダ・スウィントン(Photo by Denis Makarenko / Shutterstock)



『スノーピアサー』(2013年)

列車スノーピアサーが疾走する暗黒郷を描いたポン・ジュノ監督のSFアクション作品。屈折した支配者、メイソン総理にスウィントンは20世紀最大の怪物を見出した。当時、『スノーピアサー』の演技は風変わりでコミカルな印象を与えたが、近年の出来事を考えながらスウィントンは黙って首を横に振った。

「恐ろしいと思いませんか? 風刺という極めて過激なものを取り扱っているのに。カダフィ、サッチャー、ムッソリーニを参考にしていたんです。思い出すと本当に涙が出そう。でも、精一杯努力しました。このキャラクターの存在を初めて知ったときに浮かんだイメージがチャップリンの『独裁者』でした」



「今は、とても笑えない状況ですね。それでも、こうした独裁者たちを笑い者にして、もっと受け入れられやすいキャラクターにしていけると信じているわ。こうした人物は皆おもしろいから。これがジョージ・W・ブッシュの強みだったのか、と時々思うんです。みんなが彼のことをおもしろがってミームやジョークを作る。エンターテイメントとしては存在価値のある人だった。でも、最近はちっともおもしろいことなんてありません」

『サスペリア』(2018年)

『君の名前で僕を呼んで』で知られるルカ・グァダニーノ監督の最新作にマダム・ブランとして登場。スウィントンの存在感は圧倒的だ。

「私は最初から今回のリメイクが『カバー』であると主張してきました。『リメイク』というアイデアの問題点は、そこにオリジナルを侮辱するという思い込みが少なからず存在すること、あるいはオリジナルほど良くないと吐き捨てることにあります。私たちはそうしたことには断固反対です。だって、好きじゃない曲をカバーする人、『オリジナルはイマイチだな。ちょっと改善しよう』なんて思う人なんていないわよね? もしいたとしたら、その計画は必ず失敗する。リメイクには本質的な愛と敬意が必要です。私たちはダリオ・アルジェント監督の作品を心から愛し、尊敬していました」



Translated by Shoko Natori

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