20歳の中川大志が極限状態で見たもの 『このマンガがすごい!』松江監督が聞く収録舞台裏

『このマンガがすごい!』 ©「このマンガがすごい!」製作委員会 

ドキュメンタリードラマ『このマンガがすごい!』第5回のOAでゲスト出演したのは中川大志。弱冠20歳にして数多くの映画・ドラマ作品に出演している若手実力派俳優だ。Rolling Stone Japanでは監督の松江哲明監督がインタビューした記事を特別にお届けする。

今回、中川が選んだマンガは第44回小学館漫画賞を受賞したSFアクションマンガ、皆川亮二の『ARMS』。自分の意志とは裏腹に暴れ出す右腕とともに敵と戦う主人公・高槻涼役に中川大志が挑んだ。

ー中川さんは少女マンガ原作の映画に多く出演されてますが、今回『ARMS』の高槻涼役を演じてみて少女マンガと少年マンガの違いってどのへんで感じましたか?

中川:少女マンガは守らなくてはいけないキャラクター像があるんですが、今回は見せ方含めてリミッターを取っ払って思い切り行きました。そういう意味で、より男らしく、より血生臭くやれたんじゃないかなと。それぞれに良さがありますけど、ぜんぜん違うアプローチですよね。撮影中、右腕に造形物を実際に付けて演じたことで、自分の気持ちも入りましたし、アクション監督の新堀和男さんにいろいろご指導いただいたことが活きました。あと面白かったのはマンガのコマに入っていくところ。演じてみて感じたんですけど、やっぱり皆川亮二先生の構図の力ってすごくて、その通りにやるとカッコよく決まるんですよ。

ー撮影中、すごい暑さでしたけど、みんなが役に入り込んでましたよね。

中川:暑さと熱さにヤラれました(笑)。アクションって危険と隣り合わせなので、常に冷静さを忘れちゃいけないと思うんですけど、撮影後に何をしてたか覚えてないくらい集中できましたし、ずっとアドレナリンが出てました。僕のような役者が、肉体的にも精神的にも追い込まれた様を演じるのであれば、ほんとに追い込まれないとダメだと思うんです。そういう意味では、うまく表現できてるんじゃないかなと思います。

ー中川さん、とても楽しそうでしたよ。この先、SFものの作品にも俳優としてどんどん出ていく姿が見えました。中川さんとの最初の打ち合わせで出たテーマが「日常と非日常」でしたよね。僕はそれが今回ずっと頭の中にあって。

中川:僕が思うヒーロー像っていうのが、まさに「日常と非日常」なんです。みんなからカッコいいと言われるけど、ヒーロースーツを脱いで日常に戻ったら、ヒーローであることは隠しておかなきゃいけない。でも誰かがヒーローについて話したりするのを聞いたら、やっぱりうれしい。僕もこういうお仕事をさせてもらっているので、例えば街を歩いているときに自分が出演した作品の話をしてる人がいたらうれしいですし、そういうところも含めてヒーローに共感するんだと思います。

ーいま、20歳というタイミングでそういうふうに自分を見てるんですね。それが何らかのヒントになりそうですね。

中川:カメラの前に立つときの表舞台の自分がいるとして、そうじゃないオフのときの日常の自分がいる。その間の線引きをどれだけぼやかしていけるか、グレーゾーンに興味があるんです。どうしてもカチンコの音に反応してしまう生き物になってきてるので、今後はいかに自然にカメラの前に立てるか。スイッチを入れずに非日常を見せることの難しさですよね。普通に呼吸をして普通に動いて、どれだけさらけ出せるのかと。もちろん訓練も必要だと思いますが、それが僕の中の大きなテーマですね。

Interviewed by Tetsuaki Matsue


ドラマ25『このマンガがすごい!』
毎週金曜24:52~25:23
テレビ東京、テレビ大阪ほかで放送

監督:松江哲明
オープニングテーマ:アンジュルム「タデ食う虫も Like it!」
エンディングテーマ:前野健太
出演:
蒼井優、ゲスト出演:新井浩文と山本浩司、神野三鈴、塚本晋也、でんでん、中川大志、東出昌大、平岩紙、森川葵、森山未來、山本美月(五十音順)

【番組公式HP】 http://www.tv-tokyo.co.jp/konomanga/
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【Instagram】 @tx_drama25 https://instagram.com/tx_drama25

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