ハドソン川の悲劇...謎に包まれたサウジアラビア人姉妹の死体

警察当局によれば、ロトナとタラ、そして2人の母親は、2015年にサウジアラビアから渡米。ワシントンDC郊外のフェアファックスに腰を落ち着けた。姉妹と母親の関係は明らかにうまくいっていなかった。ニューヨーク・タイムズ紙によれば、母親は捜査官に対し、去年の12月から娘たちと会っていないと証言。フェアファックス警察に捜索願を届け出ていたという。捜索願の後、2人の行方はすぐに判明したが、姉妹は帰宅を拒み、ニューヨーク・タイムズ紙の言葉を借りれば「保護」を求めたため、シェルターに送られた。警察は母親の所在の公表を拒んでいる。

ガーディアン紙によると、姉のロトナはフェアファックスのジョージ・メイソン大学に今年春まで在籍していたが、特に理由もなく退学したという。今年7月まで大学周辺の集合住宅で暮らしていたが、タラが同居していたかどうかは不明。8月には母親が、今度はタラの捜索願を届け出た。フェアファックス警察がインターネットで公表した行方不明者手配には、姉のロトナと一緒に行動している可能性が示唆されていた。アラブ・ニュース紙は匿名の親族の証言として、ファリアの母親は捜索願を出した時点でタラがニューヨークのロトナを訪ねていったことを知っており、先週まで姉妹と連絡を取っていたと報じた。だが姉妹が消息を絶ったため、母親は再度捜索願を届け出たと、ニューヨーク・タイムズ紙・アラブ・ニュース紙が報じている。

ローリングストーン誌の取材に対し、ニューヨーク警察は「姉妹に似た人物が2018年8月24日から10月24日までニューヨーク都市圏に滞在していなかったか、関連情報を集めているところ」だという。

アラブ・ニュース紙はさらに、姉妹の親族が自殺説を否定していると報道。同紙によれば、姉妹の父親がこの週末にニューヨークに到着したとのことだ。在ニューヨークのサウジアラビア領事館の総領事は10月30日、Twitter上に声明を投稿。領事館は「弁護士を立てて事件の進捗状況を追跡しており、在ワシントン大使館の役員らは姉妹の家族に連絡して、援助を申し出た」と表明した。また、姉妹は「学生で、兄(または弟)とともに行動していた」とも指摘している。この3人目の子どもについては、事件に関する報道はもちろん、一家のアメリカ在住申請書の中でも一切言及されていない。サウジアラビア総領事の声明について、ローリングストーン誌はニューヨーク警察にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

Translated by Akiko Kato

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