11年目のBIGMAMA「自分が迷わないことが大切」

―リード曲は投票で「Step-out Shepherd」に決まりましたが、結果についてはメンバーの予想通り?

金井:大外で大穴でしたね。何なら“この曲はいいんじゃない?”って話していたくらい。

―どういう意図でリード曲を投票で決めようと思ったんですか?

金井:気持ち的に言うと、BIGMAMAって全部がいい曲だと自分では思っています。あとは内々で話した時に、みんなの意見がバラバラだったっていう。こういうことを決めるのは自分が一番苦手だと思っているので。だって、どの曲も愛おしいに決まっているじゃないですか。あとは、大人になると責任感をだんだん放棄しようとする(笑)。これに関しては自分を一番信用していないので。わりと今まで人と違うものを主張してきて、自分が左になることもわかっているので、あまりそれを言うのもやめようと思っていたんです。

柿沼:ここの2人は一緒の意見だったんですけどね。そもそも実際にお客さんが投票して選んでくれた曲って、たぶん自分が一番好きな曲を選んでいないと思うんです。BIGMAMAを広めようと思った結果、BIGMAMAらしい曲を選んでくれたと思うので。選ぶ視点によってこんなにも違うし、そういう意味で誰かに選んでもらうのは幸せなことだったなと。それがファンで良かったと思いましたね。

金井:柿沼の話を聞いてて思ったんですけど、僕らが選ぶと入り口じゃなくてコアな部分を選んでしまうんですよね。マインド的なところ。だから入り口をオススメすることって難しいというか、入り口は見つけてもらうものだと思うし。でもこの時に思ったのは、一緒に考えてくれる時間が一番愛おしいなって。

柿沼:確かに。

金井:きっとバンドのために数分、数時間、なんなら数日考えてくれたと思うんです。それってすごくありがたいし、このアルバムに少しでも愛着を持ってライブに足を運んでくれたらいいなって。自分が選んだ曲は選ばれなかったけど、ライブで聴いたときに間違いじゃなかったって思ってほしい。そういう意味でも良かったなと思っています。



―ライブ感のある並びだと思ったのですが、曲順についてはいかがですか?

柿沼:曲順はいつも悩んでぶつかったりもするんですけど、今回は金井の中で全体像が見えていて、並びを見た時にそこまで違和感はなくて。みんながイメージを共有できていたと思うし、曲間を考える時やマスタリングの時もわりと前半は繋がっていく感じになって、それはそれで美しい流れになったと思います。

金井:音楽的な振り幅をあえて制限したことによって、どの曲の次に何が来ても相性というかマッチングがいい作品になっている気がします。1作前とか2作前を持ち出すと曲の振り幅があるぶん、各々の意識が難しかったんだなって今思い返すと感じますね。

柿沼:今回はあまり無茶をしていないというか。メジャー1stだからもちろん気合いは入っているんですけど、力が入り過ぎずできたのかなと。レコーディング前は最大限自分たちも戦うんですけど、わりと自分たちの中にあるもので作った作品だから素直に作れたんですよね。そういう意味で、今までのアルバムの中でも全部をスッと聴けます。あまり力を入れなかったのが、メジャー1stアルバムのタイミングでできたのは良かったなと思います。

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