サンダース米大統領報道官、トランプ絡みでメディアから集中攻撃を浴びる

米ホワイトハウス報道官、サラ・ハッカビー・サンダース(Photo by Mark Wilson/Getty Images)

アメリカ現地時間29日午後、米ホワイトハウスでサラ・ハッカビー・サンダース報道官が記者会見に登壇した。

サンダースが会見に立ったのは8月と9月に1回ずつで、今月は2回目となる(1回目は10月3日に実施された)。10月に限って2回も登壇したのは、最近のトランプ大統領の発言に対する批判をかわすためという見方もできる。

会見は短時間で、追い立てるように行われ、サンダースは大統領を悪く言い立てる「フェイク・ニュース」の大胆不敵さを非難する一方で、質問に対しては曖昧な答えを述べるに終始した。CNBCのジョン・ハーウッドはツイートで、演壇のサンダースが「批判に動揺しているように見える」と感じたのはこれが初めてだと投稿した。

会見の中でサンダース報道官が最初に明確に伝えたことが、トランプの政敵へ送られた爆弾事件や、27日にピッツバーグのシナゴーグで起きた死者11人の銃乱射事件は、犯人以外は責めるべきでないということだった。これまでトランプは折に触れて当局の息がかかっていない自由な報道機関を責めてきた。ましてや会見の数時間前に、トランプはCNNを「正真正銘の国民の敵」と言ったばかりだった。

銃乱射事件への対処方法についてサンダースは回答しなかったものの、メキシコ南部から国境を越えようとする移民集団が引き起こす仮想の「侵略」危機を抑圧するために、軍隊の召集も含めて、トランプ政権はすべての選択肢を検討すると答えた。

この会見はサンダースが演壇から逃げるように去って幕を引いた。その直前にNBCのハリー・ジャクソンが、大統領が「結束の必要性」を声高に訴えていても、政敵を攻撃し続けることは「相手と自分を区別している」のではないかと自分の意見をまず述べた。そして「何に対しても反撃したがる大統領よりも国家の悲劇が優先されるのはどのような状況なのか? それが今じゃなかったら、一体いつなのか?」とジャクソンがサンダースを問い詰めた。

これに対して「国家の悲劇が起きたときに、大統領がそれを最優先させた姿を国民は既に見ていると思う」とサンダースは答え、トランプが何度も「難局の際に上手く対処して」国を一つにまとめてきたと説明した。ジャクソンがさらに追求すると、サンダースは口ごもり、最近のメディアの記事は大統領を否定的に捉えたものばかりだと不満をぶちまけて、大急ぎで演壇を去ったのである。

「何であれ、メディアが発する全ての言葉は悲しく、対立を深めるものだと思う。メディアの口から出てくる言葉の90%は大統領に対して否定的なものだ」と言い、「今こうして好景気を迎えているし、貿易の不均衡も是正された。大統領はISISを倒すと宣言して、それを実行した。大統領は来る日も来る日も職務を遂行している。大統領を攻撃するだけでなく、ときには彼がこれまで実現した成果に目を向けてくれるとありがたいと思う」

Translated by Miki Nakayama

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