カリード、一夜限りの初来日公演のライブレポが到着

10月29日に新木場STUDIO COASTで一夜限りの初来日公演を行ったカリード(Photo by Masanori Naruse)

2017年3月に『アメリカン・ティーン』でデビューし、今年開催された第60回グラミー賞では、主要部門の1つである「最優秀新人賞」を含む計5部門にノミネートされたオルタナティヴR&Bの新星、カリード。彼が10月29日に新木場STUDIO COASTで開催した、一夜限りの来日公演のレポートをお届けする。

生バンドが後ろに控えるなか「8ティーン」で登場したカリードは、同曲を披露し終えると早くも上着を脱ぎ、デビュー・アルバム『アメリカン・ティーン』収録楽曲を次々にパフォーム。表題曲を終えると「これが僕にとって最初の東京での公演なんだ」と挨拶し、会場に詰めかけた観客から喝采を浴びた。

4人の女性ダンサーと共に、ステージいっぱいに動き回りながら歌うカリードは、終始笑顔。哀愁を帯びた美声を披露するも、黄色い歓声が上がると照れ笑いを浮かべる場面も。ベニー・ブランコとの「イーストサイド」にいたっては「新しい曲だから間違えても許してね」とMC。しかし、同曲からシームレスに「ホープレス」のコーラスに繋げるあたりはさすがだ。

メロウな楽曲を中心に進行していたカリードのステージは、「楽しもう」という一言の後に披露した「ヤング・ダム &ブローク」で転換点を迎える。フロアにマイクを向けるとクラウドは見事な合唱で応え、カリードはステージ上でダンサーとワイニーに興じた。「アメリカン・ティーン」のやんちゃさ全開である。

一方で、カリードはアーティストとしての成長ぶりも見せつける。今や客演に引っ張りだこの彼は、カルヴィン・ハリスのアルバム『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol. 1』収録の「ローリン」をはじめとしたコラボ曲でも存在感を示す。さらに、先日リリースしたばかりのEP『サンシティ』からは「モーションズ」と「ベター」の2曲を披露。デビュー作とはやや趣の異なる2曲で、会場は心地よい浮遊感に包まれた。

約1時間に及んだステージは、カリードがブレイクするきっかけとなった「ロケーション」に続いて「キープ・ミー」でラストを迎える。「僕を君の心の中に留めておいて」という歌詞は、この日STUDIO COASTに集まった人々へのメッセージのように思えた。アンコールが沸き起こると「OTW」を披露し、やはり笑顔でセットを終えた。

今年20歳の誕生日を迎えたばかりのあどけなさと、アーティストとしての成長の両方を見せつけた今回の公演。“I’ll be on the way”と歌うカリードの向かう先はどこなのか、今後も目が離せない。

(文・奥田翔)



<リリース情報>

カリード『サンシティ』ジャケット写真

カリード
『サンシティ』
配信中
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https://lnk.to/Suncity

Rolling Stone Japan 編集部

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