―ブライアン・フェリーなどと行ったバンド外での活動も、あなたの言葉を借りると、全然大したことじゃなかったということですよね。そうは言っても、そういうことがモリッシーにとってはかなり苦痛だったようですが。
う〜ん、それは彼に確認したほうがいいぜ。
―でも、それが彼の説明で……。
そうか、そうかもしれないな。彼がそう説明しているのなら、それに異論を唱えるつもりはない。反論しないよ。それでいい。で、何だっての?
―とにかく、まだ若いうちに……確か23歳ですよね? とにかく若くして最高のバンドを失ってしまったあなたの現在を考えると、これ以上の成功はないのかなとも思います。あなたのキャリアは本当に素晴らしいですから。
ありがとう。俺自身もこんなふうに上手く行くとは知らなかった。でも、俺は自分のバンドを失ったという気分でもなかったよ。だってある時点で、気付くんだよ、ザ・スミスに対する人々の見方がそこに反映されているって。だって、俺の内側には大きな思いがあって、それが……無意識だったかもしれないけど、いつもいろんな人と仕事をしたいって気持ちが強かった。その思いは確かだった。ザ・スミスの最初のレコードが出る前に、バーナード・サムナーとセッションをやったんだ。その頃から既にそういう気持ちの一旦が見え隠れしていたし、それってある意味で俺がミュージシャンだからさ。俺って典型的なミュージシャン・タイプの人間で、だからこそ、いろんな人達と演奏したいわけだ。学ぶことも好きだし、いろんなプロジェクトに参加することが俺のヴィジョンなわけだ、わかる? もし35年後に「ああ、でも、あんたは他の連中と同じヘアスタイルで壁にぶち当たって行き詰まっているべきだったんだ」とか言う連中が出てきたら残念だ。まあ、そういう連中のヴィジョンは少しばかり広げた方がいいと思うし、もっとミュージシャンの視点に寄って考えた方がいいかもな。