オバマ、クリントン両氏を狙った爆発物押収の舞台裏

FBIが押収した小包のパッケージ(Photo by FBI via Getty Images)

アメリカ合衆国シークレットサービスは現地時間24日の水曜日、ビル・クリントン、ヒラリー・クリントン夫妻と、ミシェル・オバマ、バラク・オバマ夫妻の自宅に送られた爆発物を押収したことを認めた。

この発表の直後、CNNのニューヨーク支局では郵便室で爆発物と思しき小包が発見され、入居者は建物から避難した。カリフォルニア州のサンディアゴ・ユニオン・トリビュート紙でも同様の小包が発見された。この建物には、民主党のカーマラ・ハリス上院議員のオフィスが入居している。


4つ目の小包は、元司法省長官エリック・ホルダー氏に宛てられていたが、数時間後、フロリダ州代表の議員で、元民主党全国委員会委員長のデビー・ワッサーマン・シュルツ議員のもとへ誤送されていた(小包の差出人住所に、ワッサーマン・シュルツ氏の事務所が記されていたため)。同じ日の午後、ワシントン警察はさらに5つ目の小包を押収。宛名はカリフォルニア州の民主党マクシーン・ウォーターズ下院議員だった。

これら一連の事件が起きた数日前の月曜日には、ニューヨーク州カトナで、民主党に多額の寄付をしている極右派ジョージ・ソロス氏の自宅の郵便受けにパイプ爆弾が発見されたばかりだった。

水曜日、シークレットサービスは、捜査官が火曜深夜にニューヨーク州チャパクアにあるクリントン夫妻の自宅宛てに送られた小包を押収したと発表。水曜未明には、ワシントンDCの郵便局で2つ目の小包が見つかった。送り先はオバマ前大統領のオフィスだった。

「いずれの小包も、通常の郵便チェックの段階で即座に爆発物の可能性ありと識別され、適切に処理されました」とシークレットサービスは声明を発表。「どちらも送り先に郵送される前に押収されました。小包の受取人は小包を受け取っていませんし、受け取る危険もありませんでした」

当局はすでに全面的な犯罪捜査を発動し、連邦、州、地元から可能な限りスタッフを動員して、差出人の確定と犯人の特定に当たると言う。

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は、今回の事件を「卑劣な行為」とし、犯人には「法が定める最大の範囲で責任を負わせる」と付け加えた。

「政府は、オバマ前大統領、クリントン元大統領、クリントン元国務長官、その他重要人物をねらった今回の襲撃未遂を糾弾します」と、サンダース報道官はホワイトハウスの記者会見で声明を発表した。「アメリカ合衆国シークレットサービスおよび法執行機関は捜査を進めています。あらゆる適切な措置を講じて、このような臆病者が狙う人々を保護します」

Translated by Akiko Kato

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