トレイシー・チャップマン、著作権侵害でニッキー・ミナージュを訴える

ニッキー・ミナージュを訴えたトレイシー・チャップマン(Photo by Eric CATARINA/Gamma-Rapho via Getty Images)

トレイシー・チャップマン「ベイビー・キャン・アイ・ホールド・ユー」が、ニッキー・ミナージュの「ソーリー」に無断使用されていると、チャップマン本人がミナージュを訴えた。

夏に入って間もない頃、一連の騒動でミナージュはチャップマンに対して罪を認めた。現在は削除されてしまったツイートで、レコーディグした曲がチャップマンの「ベイビー・キャン・アイ・ホールド・ユー」をサンプリングしていたとは知らなかった、と告白した。「心がずたずた、みんな助けて。トレイシー・チャップマン、私をぶってちょうだい。お願い、クイーンに免じて許して」と。

そして今、チャップマンはラップのクイーンを著作権侵害で訴えた。ローリングストーン誌が入手した訴状の中でチャップマンは、自身の代理人が「当該楽曲を使用したいというミナージュの事後申請を断った」と主張している。

「2018年6月初頭、ミナージュと彼女の代理人およびエージェントらは、ミナージュがレコーディングした『ソーリー』(以下「著作権侵害作品」とする)に対する当該楽曲の使用許可を再三にわたり要求したが、ミナージュはこの時点で既に自身の最新アルバム『クイーン』に収録するつもりで、無許可で当該楽曲を使用しようとしていたことが伺える」

訴えによれば、7月中旬にチャップマンは自身のビジネス担当者を通して、「ベイビー・キャン・アイ・ホールド・ユー」サンプリング使用許可申請に関するDMG Clearances(※日本のJASRACのような、著作権を管理する団体)からの要請を拒否。これを受け、ミナージュのマネージャーを務めるジー・ロバーソン氏は、両アーティストを引き合わせようと接触してきたと言う。

「2018年7月27日、自称ミナージュのマネージャー、ジー・ロバーソン氏は、チャップマンのビジネス担当者にメールを送信し、チャップマンとミナージュの2人を引き合わせることを要求した、と訴状は説明している。

ミナージュの代理人およびロバーソン氏にコメントを求めたが、まだ返答は得られていない。

8月8日、チャップマンの弁護士は、楽曲使用を決して認めないというチャップマンの意思をメールで確認した。だがその3日後、ニューヨークのラジオDJファンクマスター・フレックスは、ラジオ番組「Hot 97」で「ソーリー」を初オンエア。チャップマンは、ミナージュ側に「当該作品の改ざんを含む著作権侵害作品の複製、または使用、または搾取を中止するよう」求め、さらにミナージュ側に対し、第三者による「ソーリー」の使用差し止めと、損害賠償およびこの曲が不当に得た利益の支払いを請求している。

「トレイシー・チャップマンは、自らの権利を主張します。たとえ要求された場合でも、著作の使用を拒否する権利があります」と、長年チャップマンの弁護士を務めるリー・フィリップス氏はローリングストーン誌の取材に答えた。「これが著作権侵害であることに疑問の余地はありません。ニッキー・ミナージュの弁護団が今後どう対応するかという質問にはお答えしかねます」

1988年、ローリングストーン誌とのインタビューでチャップマンは、音楽で愛を表現する際のアプローチを次のように語った。「私が大事にしているのは、バランス感覚」とチャップマン。「形があるものを表現する場合は、自分の生活にそのまま当てはめることができる。恋愛関係の場合も同じだけど、他人との関係性において自分の立ち位置をどこに置くかがポイントね。それがけっこう微妙で、自分自身や自分らしさを保ちつつ、他人の目を通して表現する、あるいは自分の身の回りにあるもので表現するの」

Translated by Akiko Kato

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