マイク・Dとアドロックが語る、ビースティ・ボーイズ回想録の秘密

1994年、「サボタージュ」のミュージック・ビデオのセットにて。左からアダム・ヤウク、マイク・D、アドロック。(Photo by Spike Jonze)

最愛のメンバーが亡くなって6年。ようやくマイク・Dとアドロックが音楽とともに歩んだ半生を語ってくれた。

その日、法定速度よりも若干速いスピードでカリフォルニアをドライブしていたマイク・Dことマイク・ダイアモンドは、警察官に呼び止められて車を脇に駐めた。「警官が言うんだ『俺の息子は8歳だ。今朝『ブラス・モンキー』と『インターギャラクティック』を聴いてた!』ってね」。オチを言う前にマイクは少し間を置いた。「結局は違反キップを切られたけど」。

隣に座っていたアドロックことアダム・ホロヴィッツがほくそ笑む。「ああ、曲が相当気に入らなかったんだろうな!」

3世代にわたるファンにとって、ビースティ・ボーイズのマイク・Dとアドロックとしておなじみの2人の旧友が、かつてはマンハッタンでもっとも汚れた地区の一つであった場所に佇むラグジュアリーホテルのスイートルームのソファに座っている。51歳のアドロックは、ほとんど寝ているように見えるほどうしろに仰け反り、それとは対照的に53歳のマイクは背筋をまっすぐ伸ばして座っている。座り方を除けば、2人は兄弟と言ってもおかしくないほどよく似ている。ひょろりとした体型、ぼさぼさの頭、フルーツサラダからチーズまで——「メロンは好きだけど、ほかのものと一緒に食べたくない」と言うマイクと「フェタチーズはマジで最低だ」と言うアドロック——、さらにはジャマイカンダンスホールのリズムにいたるまで、顔を合わすと同時にこの世のありとあらゆることについて冗談を交わせる姿もそっくりだ。

こうして2人が揃ったのは、ともに執筆に4年を費やした極めて型破りな回想録、『Beastie Boys Book』について語るためだ。571ページにわたる本作には、メンバー自らが語ったエピソードとともに年代物の写真、漫画、レシピ、エイミー・ポーラー、コルソン・ホワイトヘッド、リュック・サンテをはじめとする友人たちのゲスト・インタビューなどが散りばめられている。例えば、1988年の冬にドリー・パートンの誕生日パーティでボブ・ディランに出くわしたときのエピソードのように(ディランは彼らを「喫煙者支持コンサート」に参加させようとした、とアドロックは断言した)、ときには超現実的な爆笑の絶頂にあったビースティ・ボーイズが描かれているのだ。

Translated by Shoko Natori

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