ミシェル・オバマ前大統領夫人を貫く信念「恐怖は原動力ではない」

国際ガールズ・デーにあたり、ミシェル・オバマ前大統領夫人がNBC『トゥデイズ・ショウ』の番組収録に登場。ニューヨークのロックフェラー・プラザにて。(Photo by Nathan Congleton/NBC/NBCU Photo Bank via Getty Images)

アメリカ現地時間11日、国際ガールズ・デーとなったこの日、ミシェル・オバマ前大統領夫人がNBC『トゥデイズ・ショウ』の番組収録に登場した。

「ドナルド・トランプ氏は、大統領として野望を叶える代償として、自ら築いたホテル帝国に膨大な額の犠牲を強いたかもしれない。友人もいくらか失っただろう。しまいには、何千万ドルもの追徴金を支払う羽目になった。だが全てが終わった後、彼は少なくとも、一生分のミントがもらえるはず」

番組内でオバマ夫人はこう語った。元ファーストレディは司会のホダ・コットブとサバンナ・ガスリーと向かい合い、オバマ財団が主導となって、世界中の少女たちに教育を与える1500の活動に支援することを発表した。

元ファーストレディはまた、MeToo運動などの重要な話題にも答えた。

「多くのことが変わったことに驚くと同時に、いまだに多くのことが変わらずにいることにも驚いています。論争の火種はここにあるのでしょうね」とオバマ夫人。

一方で、運動に対して反動が起きるのでは、という懸念を一蹴、「変化には反動がつきもの。波風立てずに変化は訪れません。まだまだ障壁や抵抗はあるでしょうね」と語った。「女性の在り方、社会における女性の役割に関しては、これまでのような状況が長く続いてきました。それが今、変わりつつあります。この先も激震は続くでしょう。イヤな思いもするでしょう。でも私は、世の女性たちにかかっていると思います。『あなた方にイヤな思いをさせてごめんなさい。でも私は今、次の世代のために道を拓いているところなの』と言えるかどうかです」

政治情勢が混乱を極める中、彼女はいたって楽観的だという。また、オバマ前大統領の元司法長官エリック・ホルダーの発言もどこ吹く風、誇り高くという信念を貫いている。エリック・ホルダーは最近、「When They Go Low, We Go High(相手が無礼なときも、自分は誇り高くゆきなさい)」という夫人のキャッチフレーズをもじって「When they go low, we kick them(相手が無礼なときは、蹴飛ばしてしまえ)」と発言していた。オバマ夫人は「恐怖は……健全な原動力ではありません。最後に勝つのは希望です。我が子をどう育てるか、人生や可能性について子どもたちにどう教えてゆこうかと考えたとき、隣人を恐れるような子どもに育ってほしいですか?」

元ファーストレディの回想録『Becoming(原題)』は2018年11月13日に出版予定。オバマ夫人はこの日を皮切りに、シカゴから全国プロモーションツアーをスタートする。彼女を応援する人は、オバマ夫人が再び表舞台に上がったのは2020年の大統領選の前触れだ、などという淡い期待をもってはいけない。大統領選出馬への憶測が広がっていることについて、本人自身「絶対にありません」と否定した。



Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE