モンティ・パイソンのエリック・アイドル、著作で60年代の喜劇界や音楽界を回想

モンティ・パイソンのエリック・アイドル(Photo by Ole Jensen - Corbis/Corbis via Getty Images)



―前に「金のためにしちゃダメだ。常に最高の報酬をもたらすのは愛情を持って行ったことだ」と言っていましたよね。そう思うご自身の経験を教えてください。

そうだな、『スパマロット』が一番わかりやすいだろう。それにパイソンで作った映画も全部そうだ。『ブライアン』を欲しがったのはジョージ(・ハリスン)だけだったけど(笑)。彼はこの映画に出資してくれたんだよ。自宅を抵当に入れてまで資金を調達してくれた彼がいなかったら、あの映画は完成しなかったと思う。でも、最終的に大ヒット作品となったもの……それこそ『スパマロット』のようにね……そういうものは最初の段階でそんなことを期待していない。ブロードウェイ劇でも、十分に練り上げられるだけの資金はない。ある程度はあるにしても、続けられるだけの金額ではないんだよ。実際に、つぎ込んだ資金を回収できるブロードウェイ劇は全体の18%だけだ。これってレストランの経営よりも率が悪いと思う。でも、深く考えないで、みんなやってしまう。事実、今は映画版の出演者を見つけることが一番の問題だ。

―映画版『スパマロット』の進行はどんなふうですか?

FOXと一緒に3年くらい前から作業をしている。1月に製作を始める予定で、今はキャスティングの段階だ。面白い演技ができる役者は五万といるのに、今週映画に参加したいと言ったのは12人だけ(笑)。そんなふうに、非常に興味深いプロセスが進行中だ。監督はケイシー・ニコローで、彼は(舞台版スパマロットの)振り付けをしているし、『ブック・オブ・モルモン』や『アラジン』、「ミーン・ガールズ」なども手がけているから、最高だよ。あと、マイク(・ニコルズ/この作品の元々の監督)がケイシーに監督をさせたがっていたから、それを実現できるところまで来たわけだ。

―それこそ「Last Crusade」のアイデアみたいに、年寄りの騎士役とか演じるといいのでは?

カメオ出演してくれる役者がいるといいなと思っている。ただ、それはいつ、どこで(撮影をするか)に大きく関わってくるんだ。まあ、春には撮影を開始したいと思っているよ。

―引退することは考えていますか?

引退するためにあれこれ計画を立てているけど、カミさんが許してくれない。まっ、引退なんてアメリカの都市伝説だから。くだらないことさ。健康維持のためにもっともっと金を稼がなきゃいけなくなるっていうのにね。イギリスでなら15年くらいリタイヤ生活ができたかもしれない。あることないことにイチャモンつけて、新聞にそれを送りつけるとかしてね。結局、書くことが大好きなんだけど、それがどんどん難しくなっている。パフォーマンスや演じることには興味がないんだ。以前はジョン(・クリーズ)と一緒にツアーに出るのが好きだったし、既に自分の本の宣伝ツアーで世界中を回ることになっている。でも、実は私がしたいのは書く部分だけ。それ以外は他の人にすべて任せたいっていうのが今の本心だ。だから、来年は『スパマロット』を楽しみにして、それが終わったら、本でも読みながら幸せな余生を過ごすよ。


Translated by Miki Nakayama

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