フロリダでは死者数が4倍に増加、メタンフェタミンの脅威が米国で復活

メキシコからアメリカ国内へ安価なメタンフェタミン(結晶状覚せい剤)が流通している。(Photo by David Handschuh/NY Daily News Archive via Getty Images)



出回る量が十分にあるメタンフェタミンは、その価格が格段に安くなっている。2012年、オクラホマ州で1オンス(約28グラム)は最高1100ドル(12万円)だったが、現在は同量が250〜450ドル(約2万8000〜5万円)だという。バージニア州、オハイオ州、フロリダ州の法執行機関が出した報告書でも同様の価格の低下が報告されている。これまでアラスカ州では違法麻薬が常に異常に高い値段で取り引きされてきた。他州から遠く離れた地理的条件によってカルテルの競合が起こりにくい地域ではあるが、それでも現在はここ10年間で最安値で取り引きされている。

現在のところ上記の州では、まだメタンフェタミン乱用の増加とオピオイドの過剰摂取の減少が同時に起きてはいないが、同時期のバージニア州南部のヘロイン押収量も増加した。麻薬中毒の専門家たちは、強い高揚感・幸福感を引き起こすことで有名なメタンフェタミンは、特に麻酔薬の中毒者にとっては魅力的に映ってしまうことを懸念している。

麻酔薬の過剰摂取ほど頻発しないが、覚醒剤の過剰摂取による死亡は、フェンタニルとヘロインのように、麻酔薬が関係することが多い。また、メタンフェタミンは鼻から吸ったり、あぶって煙を吸ったりすることが多いが、公衆衛生の専門家によると「スラミング」と呼ばれる静脈内投与も徐々に増えていて、これは「オピオイド危機」の副産物であり、過剰摂取による死亡のリスクを著しく高めているという。そして、この2種類の薬物を混ぜて使用する中毒患者が過剰摂取で呼吸困難に陥ったとしても、ナロキソンなどのオピオイド拮抗薬が全く効かなくなるため、非常に危険な組み合わせといえる。

10月の第一週に、アメリカ合衆国上院で2018年度のOpioid Crisis Response Act(※オピオイド危機対応の法令の意)が通過したばかりだ。この法案ではオピオイド中毒の治療費の財政支援を刷新した。しかし、オピオイドの影でメタンフェタミン乱用が今後も続き、過剰摂取や中毒者の割合が増加し続けると、オピオイド一辺倒の対処法では対処できなくなるだろう。

Translated by Miki Nakayama

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