デフ・レパードのフィルが語る『ヒステリア』の奇跡、ボウイと武道館への想い

『ヒステリア』を発表した1987年当時のデフ・レパード。(Photo by Dave Hogan/Getty Images)

デフ・レパードが1987年の代表作『ヒステリア』を全曲再現するライブツアー「HYSTERIA & MORE」が、10月24日(水)東京・日本武道館、10月26日(金)大阪・Zepp Namba、10月29日(月)Zepp Nagoyaでそれぞれ開催される。そこで今回は、フィル・コリン(Gt)にインタビューを実施。全世界で2,500万枚以上のセールスを誇るモンスター・アルバムへの想いと、今もシーンの最前線で活躍しているバンドの近況について尋ねた。

ー「HYSTERIA & MORE」が実現するに至ったのは、どういった経緯があったのでしょう?

フィル:2013年に常設公演としてラスベガスで『ヒステリア』を全曲再現することになり、それが大成功を収めたんだ。そこからファンと世界各地のプロモーターからの熱いリクエストを受けて、『ヒステリア』のツアーを行うことにしたんだ。このコンセプトの公演をアメリカ以外で行うのは、日本が初めてなんだよ。

ーデフ・レパードは近年も活発にツアーを回っていますよね。バンドのコンディションはいかがですか?

フィル:メンバー全員が万全の状態だ。エリックというトレイナーをツアーに同伴して、毎日ワークアウトに励んでいるよ。ヴィヴィアン(・キャンベル:Gt)は凄く調子が良いし、ジョー(・エリオット:Vo)の歌も今までになく素晴らしい。本当にバンドは絶好調だよ。こんな風になりたいとずっと思っていたんだ。ここ数年は、その夢を叶える為にとにかく頑張ってきた。

デフ・レパード
近年のアーティスト写真。左から2番目がフィル・コリン。(Photo by Kazuyo Horie)

ーずばり、日本公演はどんな感じになりそうですか?

フィル:(日本の前に)ハワイ公演があるから、まだリハーサルを開始してないんだ。リハをやったらどんな感じになるかわかると思う。他にどんな楽曲をやるのかも、その時に決まってくるだろうね。

ー最近のライブでは、「ヒステリア」からデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」へと繋ぐメドレーを披露しているみたいですね。

フィル:実際にプレイするわけではなくて、「ヒステリア」の締めにちょうどハマるのでジョーが少しだけ歌っているんだ。ちょっとしたお楽しみであると同時に、ボウイへのトリビュートでもある。


ボウイはデフ・レパードにとって一大ルーツ。今年8月には、ジョー・エリオットがミック・ロンソンに捧げた「ディス・イズ・フォー・ユー」のカバー映像を公開している。

ー今年7月には、「ヒステリア」のセルフカバーと、デペッシュ・モードの「パーソナル・ジーザス」の2曲を「Spotify Singles」※として公開しています。ここでは、どのようなレコーディングを意識されたのでしょう?

※アーティスト自身のオリジナル曲とカバー曲の2曲で構成されるプログラム。大半はNYにあるSpotifyのスタジオでレコーディングされている。

フィル:とにかく、単純なカバーはやりたくなかった。「パーソナル・ジーザス」はヴィヴィアンが提案してくれて、素晴らしいアイディアだと思ったし、みんな大賛成したよ。



ー以前、ジョーもストリーミング配信の是非について語っていましたが、反対するミュージシャンも少なくないなか、この「Spotify Single」にデフ・レパードが参加しているのは新鮮な驚きがありました。

フィル:もともとは僕らも反対だった。ただストリーミングはどんどん発達して、みんなの日常生活に欠かせないものとなった。だから受け入れることにしたんだ。

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