マイクロ波の武器を使用か?世界の米国政府職員が脳損傷など不調続出

2017年9月、キューバのハバナにある米国大使館の施設内にいる職員ら(Photo by Sven Creutzmann/Mambo photo/Getty Images)


高出力マイクロ波を使用した武器といえば、冷戦時代を思い起こさせる。当時米国は、ロシアがマイクロ波を神経戦の武器として使おうとしていると信じていた。冷戦の絶頂期に米軍は、マイクロ波の波動が、実際には聞こえないものの、痛みを伴う音が聞こえているような感覚に陥らせることができる、と断定した。同現象はフレイ効果として知られている。2018年1月、イリノイ大学のジェームズ・C・リンが発表した論文によると、高出力のマイクロ波は吐き気やめまいのほか、米国政府職員が経験したような症状を伴う脳組織の損傷を起こす可能性があるという。またその1か月後、プロパブリカは米職員の事件に関する詳細な取材記事を発表した。記事によると、駐キューバ米国大使館職員の妻が不審な音を聞いた時に窓の外を見ると、1台のバンが勢いよく走り去ったという。

被害を訴える職員の症状は皆一致しているものの、具体的にどこがどう調子悪いのかをピンポイントで示すことのできる被害者は、いないようだ。さらに、攻撃に使用された武器も明らかになっていない。2017年から米国は、マイクロ波との関連が疑われるが依然としてミステリーに包まれたテクノロジーを、空軍に分析させている。

トランプ政権の対応は鈍かった。2018年9月初めにNBCが伝えたところによると、国務省内の連絡ミスにより、攻撃を調査する特別委員会が、本来立ち上げるべき時期から8か月遅れで設置されていたことが、米国会計検査院による報告書によって明らかになったという。委員会設置を担当する国務省内の部署は、2017年8月にメディアでの報道を通じて初めて攻撃を認知した。一方、同省内のメディカルユニットは、同年初めに被害の報告を受けて既に調査を実施していた。法律によると、調査委員会は事件発生から60日以内に設置することになっている。最終的に委員会が稼働したのは、2018年1月のことだった。

米国情報機関はロシアの関与を“強く”疑っているものの、確証は得られていない。情報機関が確信しているのは、攻撃が故意に起こされたということだけだ。ある政府関係者がNBCに語ったように、情報機関には「故意によるものでないことを示す根拠」がないのだ。

Translated by Smokva Tokyo

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