Apple Music、独自のヒットチャートを公開

サプライズ・リリース曲で米iTunesですぐに1位を獲得したトラヴィス・スコット(Photo by Shutterstock)

Apple社の音楽ストリーミングサービスが次回のアップデートから116個の「トップ100」ヒットチャートを公開する。

時代はストリーミング群雄割拠に突入し、Apple Musicもこの数ヶ月、勢いを増している。会員数は5,000万人を突破し、音楽出版部署を新たに設立。コンテンツとして数々のコンサートやドキュメンタリーの独占配信にも乗り出した。そしていよいよ主要部門の足固めに着手。すなわち、データサービスだ。

金曜日に全ユーザーに発信されたアップグレード版で、Apple Musicは116個もの独自の「トップ100」チャートを公開した。ストリーミング件数が最も多かった楽曲がトップスクリーン上に表示され、定期的に更新されるしくみだ。Apple Musicの重役はローリングストーン誌向けにデモンストレーションを行い、ヒットチャート――全世界のチャートとApple Musicがカバーする全ての国のトップ100――をブラウザ・タブでグループ分けする方法や、プレイリストやアルバムリストと同じビジュアルで表示されることなどを見せてくれた。チャートはどれも毎日、アメリカ太平洋標準時の深夜0時に更新される。

Apple Musicの重役らは、新しいチャートの開始時期や追加機能の可能性については言及しなかった。チャートはいまや音楽業界を左右するほどの影響力をもち、一般ユーザーの情報源となっており、この1年音楽ビジネスの話題になっている。今年5月、ビルボード誌は同社のチャートのアルゴリズムを変更し、無料ストリーミングよりも有料ストリームを重視するようにした。これに対しては賛否両論が起こった(どのストリーミング会社を利用しているかによって意見が分かれているもよう)。その1週間後、YouTube Musicも自社専用チャートを発表。YouTubeのレーベル担当責任者、Stephen Bryan氏はローリングストーン誌の取材に対し、YouTubeがインターネット上での音楽視聴サイトとして大きな影響力をもつからこそ、こうしたチャートから「音楽シーンの動向がはっきり浮かび上がる」のだと語った。

まさにその通り。アーティストやマネージャーにとって、デジタルストリーミングの件数は見逃すことのできない成功のバロメーターになっているし、レーベルやアーティストのスカウトマンはチャートの中に将来有望な次のスターが埋もれていないかと目を光らせる。そうはいっても、ストリーミングはCDセールスやダウンロード件数にはとうてい及ばない。ざっくりとではあるが、一般的な尺度では、1000件のストリーミングはCD 10枚のセールスにしか相当しないと言われている。ストリーミングのチャートにランクインしたからと言って、必ずしもいま一番人気の曲、一番人気のアーティストだとは限らない。

Apple Musicは金曜、すべての会員ユーザーにチャートサービスのアクセスを解禁した。ソフトウェアおよびハードウェア製品への追加アップデートは、米現地時間9月12日に行われる同社のイベントで発表されるものと見られている。

Translated by Akiko Kato

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE