トム・ヨークが語る、ホラー映画『サスペリア』リメイク版映画音楽への挑戦

ベネチア国際映画祭でリメイク版『サスペリア』の映画音楽について語ったレディオヘッドのトム・ヨーク(Photo by Shutterstock)

レディオヘッドのトム・ヨークは、今秋全米公開のホラー映画の名作『サスペリア』リメイク版の映画音楽を担当した。「引き受けるかどうか2〜3ヵ月間熟考した」と、ベネチア国際映画祭で語った。

ベネチア国際映画祭でトム・ヨークがリメイク版『サスペリア』の映画音楽について語った。自身にとってこれが初の長編映画の映画音楽だ。

ヨークは1977年製作のダリル・アルジェント監督のオリジナル版『サスペリア』も大好きだと認め、『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督によるリメイク版の音楽制作には気乗りしなかったと述べた。その理由は、ゴブリンの音楽が伝説と言われるほどのものだからだ、と。

ハリウッド・リポーターによると、「リメイク版の音楽を担当するということを2〜3ヵ月間熟考した」とヨークが言った。「オリジナル版は何度も見ている。あの映画は作られた当時を見事に表しているし、最高に緊張感のあるサウンドトラックが素晴らしいからとても気に入っていたんだ。当時、ゴブリンとダリオが緊密に作業を行っていたのは明らかだね」と。

グァダニーノ監督のリメイク版の音楽を手がける機会を得たヨークは、これを「本当は逃げ出したいのだけど、ここで逃げ出したら絶対に後悔する類いのチャンスだった」と説明した。

ゴブリンが作ったオリジナル音楽を発展させる手法をとらないことにしたヨークは、緊張感と恐怖を煽るためにゴブリンが多用したモチーフの反復を封印した。「催眠効果を出すために音楽の中で一つのフレーズを繰り返し使うという手法がある。これは呪文を生み出す一つのやり方だとずっと思っていた」とヨーク。

「だからスタジオで作業中、僕が作っていたのは呪文ということになる。これって馬鹿みたいに聞こえるだろうけど、実際にそんなふうに思いながら作っていたってことだ。それ以前に感じたことのない自由さがそこにあったし、そんな意識でアレンジしたことが一度もしたことがなかった。とにかく、いろいろ研究中だよ」と続けた。

ヨークの説明によると、リメイク版の映画音楽は1977年当時の独ベルリンというストーリーの舞台設定から描き出したという。「すぐさまクラウトロックが思い浮かんだし、自分が本当に気に入っていたあの当時の音楽もそれ以前の音楽も入っている」と、ヨークは語った。

 『サスペリア』は9月1日にベネチア国際映画祭でプレミア上映された。アメリカでの公開はハロウィンの5日前の10月26日。ヨークのサウンドトラックのリリースに関してはまだ何も発表されていないが、リメイク版のトレーラーでその一部を聞くことができる。また、ヨーク自身が8月31日に自身のTwitterで30秒のクリップを投稿した。

『サスペリア』の公開直後にヨークはアメリカ国内でソロ・ツアーをスタートさせる予定だ。このツアーにはプロデューサーのナイジェル・ゴドリッチ、ヴィジュアル・アーティストのタリク・バリも参加する。(日本公開は未定)。

Translated by Miki Nakayama

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