連続殺人鬼の正体を暴いたDNAデータベースと家系図作成サイトの最強タッグ

2018年4月、法廷に姿を現した“ゴールデン・ステート・キラー”とされるジョセフ・ジェームズ・デアンジェロ(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)



GSKやその他未解決事件の容疑者逮捕に対する反応は概して好意的だったにもかかわらず、一部からは法医系譜学者たちのやり方に異を唱える声も上がっている。「GEDMatchへは、誰もがいかなる理由でもアクセスできるため、同データベースに遺伝子プロファイルの詳細情報を登録させるという(GSKの)捜査員によるやり方は、プライバシーに関する懸念を助長する」と、アメリカ自由人権協会(ACLU)のヴェラ・アイデルマンはローリングストーン誌に語った。「デアンジェロが今かけられている容疑で有罪となったとしても、そのような犯罪に対する刑罰が、ある人の遺伝子構造全てを世界中に公開してもよい、ということにはつながらない。シリアルキラーに関連して我々がプライバシーの問題に巻き込まれることはないかもしれないが、これが万引きや不法侵入などの犯罪にも適用されたときのことを考えてみてほしい」

しかし、法医系譜学者たちは前向きになっている。フィッツパトリック博士は、殺人犯やシリアルキラーになり得る人間のプロファイリングが可能になるのではないかと期待している。「これまでアクセスできなかった人々の心理学的なプロファイルができるようになる」と彼女は言う。「犯罪や犯罪者を長期的に理解することが可能になろうとしている。結果として、系譜学の外で犯罪捜査を支援することにつながるだろう」

ムーアは、自分の関わる分野におけるこのような進歩が、殺人を思いとどまらせ、また長い間解決されていない事件を解決する助けとなってほしいと考えている。「未解決事件を完全に過去のものとしたくはないが、もしも生物学的物質を捜査に適用できるなら、事件解決の可能性がとても高まるだろう」と彼女は言う。「改革により、社会がより安全になってほしい」

元刑事のホールズは、過去20数年にわたって取り憑かれていた強迫観念から解放された。

「24年間、事件が私の人生を支配していた」と彼は言う。「事件解決には感激し、安堵感も覚える。しかし同時に、少しずつ虚しさも感じ始めている。追いかけることのスリルが懐かしい。解決すべき他の事件を探さねばと思っている」

ここ数カ月における怒涛の逮捕劇に引き続き、全ての容疑者を裁判にかけるなど、すべきことは多く残っている。関係者は本当の意味でまだ休めていない。ヴィンス・ミラックは、姉の殺害事件の裁判が始まるまでしばらく待たねばならないだろう。一方で容疑者のロウには死刑判決が下ると思われる。

「容疑者が逮捕されたとき、私は妻に“日々一つずつこなしていくつもりだ”と言った」と、ミラックは語る。「未来を予測しようとは思わない。目の前にあるものや今起きていることに対応していこうと思う。それが事件に対して私たちのできることだから」

Translated by Smokva Tokyo

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE